医学部付属病院が「肝疾患医療センター市民公開講座」を開催しました

医学部付属病院では9月7日に伊勢原キャンパスで、「肝疾患医療センター市民公開講座」を開催しました。本病院は、神奈川県から肝疾患診療連携拠点病院に指定されており、本センターは肝炎対策の遂行機関として、診療ネットワークの整備や診療にかかわる人材の育成、相談支援などに取り組んでいます。この講座は、地域の人々に肝臓病の診断?治療や予防に関する最新情報を提供するため、毎年実施しているものです。今回は本病院の医師ら6名が講演をおこない、患者や近隣住民、保健医療福祉関係者ら多数が参加しました。

初めに、総合司会を務めた加川建弘センター長(医学部医学科教授)が、肝疾患医療センターの活動と講座の趣旨を説明。続いて、伊勢原市保健福祉部健康づくり担当部長の髙橋健一氏が、「専門の先生方から肝臓病について学ぶ有意義な機会です。講演の内容を家族や友人にも共有し、健康の維持?増進に役立てください」と挨拶しました。

第一部では、消化器内科と画像診断科の医師が、「脂肪肝」「肝硬変」「肝がん」の原因や病態、治療法、CTやMRI画像による肝がんの診断法について解説。肝疾患の早期発見?早期治療を目指して日本肝臓学会が推進する「奈良宣言2023」についても紹介しました。第二部では、臨床検査科の医師が肝疾患にかかわる血液検査等の項目と数値の見方について解説し、管理栄養士が脂肪肝を予防するための食事と運動について紹介。最後に神奈川県がん?疾病対策課の職員から、肝疾患に関する医療費助成制度について説明がありました。

閉会の挨拶では、一般社団法人秦野伊勢原医師会長の秋澤孝則氏が参加者と関係者への謝辞を述べ、加川センター長が、「本センターは、患者さんが就労しながら治療を受けられる環境の整備にも取り組んでいます。今後も地域の保健?医療従事者の方々と連携し、患者さんに役立つ情報や適切な治療を提供していきます」と結び、盛会のうちに終了しました。

なお、講演のテーマと講演者は以下のとおりです。
【総合司会】
加川建弘教授(肝疾患医療センター長、消化器内科診療科長)
【第一部】
1「奈良宣言2023 からみた脂肪肝診療」
  荒瀬吉孝講師(消化器内科)
2「肝硬変?肝がんの診断と治療」
  鶴谷康太講師(消化器内科)
3「肝がんの画像診断について」
  関口達也助教(画像診断科)
【第二部】
4「健康診断?病院受診時の肝臓関連の検査値の見方」
  後藤和人教授(中央臨床検査センター長、臨床検査科診療科長)
5「肝臓にやさしい食事」
  安積正芳管理栄養士(診療技術部栄養科)
6「肝疾患の医療費助成について」
  鈴木信之氏(神奈川県健康医療局保健医療部がん?疾病対策課)
【後援】
神奈川県、伊勢原市、足柄上医師会、小田原医師会、茅ケ崎医師会、中郡医師会、秦野伊勢原医師会、平塚市医師会