医学部外科学系の井上茂亮准教授が6月28日から30日まで東京ビッグサイトで行われた、「BIO tech 2017 ~第16回 バイオ?ライフサイエンス研究展」に研究成果を出展しました。この展示会は、世界各国のライフサイエンス研究機器メーカーや研究機関、自治体などが出展し、技術相談や商談する場として開かれているものです。
井上准教授の研究グループではこのほど、関節リウマチや多発性硬化症などの自己免疫疾患治療薬の候補化合物の選別に役立つ簡便で迅速な手法を開発。今回の展示で紹介しました。この研究では、自己免疫疾患に関与する特定のHLA(白血球抗原)遺伝子を持つ細胞(HLA発現細胞)の人工合成を実現。さらに、96個の試薬をわずか数分で分析できる「96 well プレートリーダー」上でこの細胞と疾患の原因となる抗原ペプチド断片を結合させ、両者が結合したときにのみ蛍光を発する機能を持たせることに成功しました。これによって、治療薬の候補化合物がHLA発現細胞と抗原ペプチド断片の結合をどの程度阻害できるかを簡便かつ迅速に見分けられる「ハイスループット?スクリーニング系」が可能になりました。
ブースには、企業の担当者や研究者が多数来場。今後の展開や共同研究の可能性などについて意見を交換しました。井上准教授は、「HLA発現細胞の合成技術が、がん細胞の研究にも応用できる可能性を指摘されるなど、多くの成果が得られました。今後も学内外の研究者や企業と連携して、bet36体育投注_bet36体育官网app-在线*开户の柱となるような研究にしていきたい」と話しています。