医学部付属八王子病院?血液腫瘍内科の橋本典諭医師(医学部医学科講師)が、7月17日に東京都立町田総合高等学校で「がん」について講演しました。この講演会は、学校における「がん教育」を推進している東京都教育委員会からの依頼を受けて実施したものです。がん教育は、児童?生徒にがんに関する正しい理解を促し、健康と命の大切さについて主体的に考えてもらうことを目的としています。橋本医師は「がんを理解し、支え合える社会へ」をテーマに講演。全校生徒約700名が聴講しました。
橋本医師ははじめに、がんの発生や進行のメカニズムを解説。喫煙や感染だけでなく、さまざまな生活習慣の乱れもがんの原因であることを紹介し、「禁煙やバランスのよい食事、適度な運動といった望ましい生活習慣を身に付けることで、将来がんになるリスクを減らすことができる」と語りました。また、早期発見?早期治療につなげるための定期的な健診の重要性や、治療法を選択する際の留意点も説明。最後に、患者と家族の心と体の痛みを和らげ、その人らしい生活を送るために必要な「緩和ケア」について紹介し、「2人に1人ががんにかかる時代です。一人ひとりががんに関する正しい知識を持つことが、がんの患者さんや家族が暮らしやすい社会づくりにつながります。自身と他者の生命を大切にして、実りある人生を送ってください」と結びました。
生徒たちはメモを取りながら熱心に耳を傾け、「保健の授業でもがんについて学習しましたが、今回の講演でさらに詳しく学ぶことができました。太りぎみなので、食生活など生活習慣に気をつけたい」「将来、看護師になりたいと思っているので、とても勉強になりました。誰もががんになる可能性はあり、他人事ではないとあらためて感じました」「早期に発見して治療すれば治りやすいことがわかったので、家族や周囲の人にも健診を勧めたい」などと感想を話していました。