伊勢原キャンパスの医学部付属病院認知症疾患医療センターでは、2月21日に「bet36体育投注_bet36体育官网app-在线*开户6年度認知症研修会」を開催しました。本センターは神奈川県の指定を受け、湘南西部地域における「地域拠点型認知症疾患医療センター」として2010年1月に開設。24年6月には県全域の医療?介護関係機関などとの連携を強化した「基幹型」に移行し、診療や医療相談をはじめ、情報提供や啓発活動に取り組んでいます。本研修会はその活動の一環として、認知症患者の診療や支援に携わる人を対象に実施しているものです。今回は、「共生社会の実現のために」をテーマに認知症の専門医2名が講演。オンラインを併用し、医療機関や地方自治体、福祉施設、地域包括支援センターの職員ら約130名が参加しました。
初めに、本センターの永田栄一郎センター長(脳神経内科?医学部医学科教授)が登壇。「共生社会の実現は、2024年に施行された認知症基本法においても重視されているテーマです。この研修会を認知症の方々の支援に役立ててください」とあいさつしました。



続いて、本センターの今関良子医師(脳神経内科?医学部医学科講師)が、「基幹型認知症疾患医療センターにおける早期診断?早期治療の実際」をテーマに講演。各機関との連携推進に向けた取り組みや診療の際に留意している点、アルツハイマー病による軽度認知障害の患者を対象とする新薬の特徴や投薬の流れを説明し、「患者さん自身が、自分が望む人生について考えた上で治療選択の意思決定ができるよう努めていきます」と語りました。
特別講演では、栄樹庵診療所院長の繁田雅弘氏が「認知症と不安なく付き合うために」と題して、認知症の人への向き合い方や支援方法について説明しました。繁田氏は、「認知症施策推進基本計画に掲げられた、認知症の人の“自分らしい暮らし”を実現するためには、その人の判断(意思決定)を支えることが大切」と語り、病気を受け入れてもらうための説明の方法や、治療法を選択してもらうための問いかけ方、家族との共同意思決定の進め方を、自らの経験を踏まえて解説。「本人の葛藤をどれだけ理解できるかが重要です。一人ひとりの病気への向き合い方を尊重しながら、支援や介護、治療につなげたいと考えています」と結びました。講演後には参加者から多くの質問が寄せられました。最後に、本センターの山本賢司医師(精神科診療科長?医学部医学科教授)が参加者への謝辞を述べました。
参加者からは、「認知症の方の思いがさまざまな要因で隠れてしまう場合があることを、あらためて学びました。職場でも共有し、明日からの業務に生かしたい」「患者さんの個性や意思や尊重し、前向きになってもらえるような声かけをするよう努めていきたいと思います」といった感想が聞かれました。



当日のプログラムは下記のとおりです。
【開会の辞】
永田栄一郎教授(bet36体育投注_bet36体育官网app-在线*开户医学部付属病院認知症疾患医療センター長 脳神経内科診療科長)
【一般講演】
座長:永田栄一郎教授
講師:今関良子講師(認知症疾患医療センター 脳神経内科〉
【特別講演】
座長:山本賢司教授(認知症疾患医療センター 精神科診療科長)
講師:繁田雅弘氏(栄樹庵診療所院長 東京慈恵会医科大学名誉教授 東京都立大学名誉教授)
【閉会の辞】
山本賢司教授