医学部医学科の増田良太教授(外科学系呼吸器外科学)が「2021年度ティーチング?アワード」の優秀賞に選ばれ、4月1日に湘南キャンパスで行われた授賞式で山田清志学長から賞状と目録が授与されました。本学では教育の質向上を目指し、2002年度から優れた授業を行う教員らを「ティーチング?アワード」として顕彰しています。1年間の授業を対象とした学生による授業アンケートなどの結果に基づき、ユニバーシティビューローを中心とした厳正な審査を経て学長により決定されるもので、2021年度は4名に優秀賞を授与しました。
呼吸器外科医として医学部付属病院で患者の診療にも携わる増田教授は、「臨床病態学1(縦隔疾患)」「呼吸器外科のABC」「臓器?組織移植と人工臓器」などの科目を担当し、医師国家試験対策委員長としても指導に当たっています。授業では、「記憶すべき内容」と「理解すべき内容」を区別し、記憶すべき内容は学生が興味を持ちそうな雑談を交えて印象付け、理解すべき内容は理屈やメカニズムを繰り返し説明。国家試験の過去問題を使って学生の理解度を確認し、指導に反映しています。個々の学生に寄り添い、“どこまでわかっていてどこからわかっていないのか”を把握してそこから説明し直すなど、着実にステップアップできるよう努めています。
増田教授は、「知識を身に付けるためには短所(苦手な分野)を埋めるための勉強が必要で、人間力を養うためには人としての長所を延ばすことが大切です。医師を目指すモチベーションを高めてもらうため、一人ひとりの長所と短所を認め、それが全員に伝わるよう意識しています。学生たちがそれぞれの長所を生かすとともに短所を補うべく学び合い、互いに成長することで、最終的には全員が良医になると考えています。人の命を救うためには新しい医療を生み出すための挑戦も必要ですが、前提となるのは“患者さんが自分の親だったらどうするか”という視点。ぶれない基準を持ってチャレンジし続けられる良医を育成したい」と語ります。
「臨床が忙しいことを言い訳にせずに教育にも注力してきたことを評価していただき、うれしく思います。受賞を励みに、医師国家試験の合格率を向上させるとともに、“東海大で学びたい”という志願者を増やしたい。母校に誇りを持ち、卒業後も母校のために働く優秀な後進を、数多く育てていきます」と意欲を見せています。