医学部看護学科の三橋祐子准教授が1月13日に、秦野市内で開催された公益社団法人神奈川労務安全衛生協会平塚支部主催の「安全衛生祈願?経営首脳者セミナー」で講演しました。同協会は、事業場における適正な労働条件の確保や労働災害の防止、健康保持増進のための活動を促進し、労働福祉の向上と産業の健全な発展に寄与することを目的として活動しています。産業看護学と公衆衛生看護学が専門の三橋准教授は、「地域資源を活用した健康経営~従業員の健康は地域と共に守る時代がやってきた!~」をテーマに特別講演しました。
三橋准教授は、コロナ禍におけるテレワークの導入による生活習慣病の増加や高齢化率の上昇や核家族化等に伴う介護?育児負担の増加といった、労働者を取り巻く環境の変化と健康問題について説明し、「こうした課題を事業所内だけで解決することは難しく、地域資源とつながる必要がある」と指摘。2022年1月から2月にかけて神奈川県湘南西部地域の企業709社を対象に実施した、事業所規模別コロナ対策の実態調査の結果や、経済産業省が推進する「健康経営」の意義、その実現に向けた企業の取り組み事例についても紹介しました。 また、「育児や介護の問題をかかえる労働者を支援したい」「感染症対策などで困りごとを抱える中小企業の安全衛生担当者が専門知識を得たい」「専門職を雇用していない企業で健康経営に取り組みたい」という3つの場合の対応策を、参加者に問いかけながら解説。「これらの課題は、専門職など多様な資源を持つ地域保健(保健所?市役所等)と職域(事業所等)がつながることで解決の道が開けます。地域と職域において健康づくり活動を担う実践者間で『顔の見える関係』を築くことが第一。労働者が元気に生き生きと働ける職場環境を整えて企業の生産性を向上させる。そして、より健康的な地域を共につくっていきましょう」と結びました。