3月2日に伊勢原校舎で、「徳田記念がんゲノム研究基金中間報告会」を開催しました。この基金は、医学部と大学院医学研究科内にがんの基礎医学研究の拠点を設けて研究力の強化を図るため、2017年度に本学を退職した徳田裕客員教授(退職時=医学部医学科外科学系乳腺?内分泌外科学教授)の支援により設立。基金運用コアチームのメンバーである基礎医学系分子生命科学の谷口俊恭教授、今西規教授、椎名隆教授を中心に、がんゲノムに関する研究に取り組んでいます。この報告会は、本基金による支援を受けている研究者11名が研究の進捗状況やこれまでの成果を発表するために開いたものです。対面とオンラインのハイブリッド方式で実施し、教職員や大学院生、学生ら約70名が聴講しました。
初めに谷口教授が、本基金設立の経緯と報告会の趣旨を説明。続いて、「徳田記念がんゲノム若手研究助成金」の2021年度採択者5名(採択期間3年)と、22年度採択者3名(採択期間2年)、コアチームメンバーの3名が研究成果を発表し、参加者と活発な質疑応答を交わしました。最後に椎名教授が、「各研究とも素晴らしい成果が出ていると感じました。採択期間の終了まであと1年ですが、それぞれの研究がさらに発展することを願っています」と語りました。
※当日のプログラムは以下のとおりです。
【はじめに】
谷口俊恭教授
【研究報告】
◇座長:今西 規教授
1.原田介斗助教[内科学系血液?腫瘍内科学]
「骨髄内制御性T細胞の特異性による白血病幹細胞支持機構の解明」
2.渡邊孝明講師[基礎医学系分子生命科学]
「新たな皮膚癌リスク抑制因子としてのDGCR8?Droshaの可能性」
3.長谷川政徳講師[外科学系腎泌尿器科学]
「リポクオリティ調節に着目したフェロトーシス誘導による腎細胞癌に対する新規治療法の構築」
4.宮竹佑治特任助教[基盤診療学系先端医療科学]
「GGT1の新規作用に依存する細胞生存機構の解明」
5.花村 徹講師[外科学系乳腺?腫瘍科学]
「乳癌微小環境における宿主免疫応答制御機構の解明
6.細川裕之准教授[基礎医学系生体防御学]
「T細胞急性リンパ性白血病を誘導する変異型RUNX転写因子の作用メカニズムの解明と新規治療戦略の創出」
◇座長:椎名 隆教授
7.中川 草准教授[基礎医学系分子生命科学]
「ネオアンチゲンとして機能するヒトレトロウイルス配列の探索」
8.鈴木利貴央講師[内科学系血液?腫瘍内科学]
「骨髄微小環境リプログラミング因子としてのSEMA3Aによる抗骨髄腫効果の更なる探求」
9.椎名 隆教授[基礎医学系分子生命科学]
「腫瘍におけるHLA遺伝子異常と治療効果に関する研究」
10.今西 規教授[基礎医学系分子生命科学]
「子宮頸がん再発モニタリングのためのリキッドバイオプシー開発」
11.谷口俊恭教授[基礎医学系分子生命科学]
「DNA修復による抗がん剤耐性メカニズムの解明」
【おわりに】
椎名 隆教授