医学部医学科では3月15日に伊勢原キャンパスで、「2023年度医学部医学科研究成果報告会」を実施しました。本学科では、医学とその関連諸領域における研究レベルの向上や優れた研究の重点的な支援を目的として、さまざまな研究助成制度を設けています。この報告会は、本制度の採択を受けた研究テーマについて1年間の成果を共有するものです。当日は11名が発表し、教職員や学生、大学院生、生命科学統合支援センターのスタッフら多数が参加しました。
初めに、大学院医学研究科の秦野伸二研究科長(基礎医学系生体機能学領域教授)が登壇。「本学科の研究助成制度は、大学院生や若手研究者に対し、公的研究費の獲得に向けた基盤研究を後押しすることを目的としています。この助成を足掛かりとして文部科学省の科研費などを獲得し、研究を進展させるよう期待しています。今日は、活発な意見交換をお願いします」とあいさつしました。
続いて、将来を嘱望される研究者の主導による創造的かつ先端的な研究に対して2年間助成する「医学部医学科プロジェクト研究」、医学部医学科研究助成金を受けた研究の中からより発展が期待されるテーマについて3年間支援する「医学研究基金」の対象者各1名が、採択期間の満了に伴う終了報告を行いました。その後、医学関連研究のレベル向上に寄与すると認められる優れた研究を重点的に支援する「医学部医学科研究助成金(重点的研究助成)」を受けた9テーマについて各研究者が成果を発表し、活発な質疑応答や意見交換を展開しました。最後に、メディカルサイエンスカレッジ(伊勢原研究推進部)の穂積勝人部長(基礎医学系生体防御学領域教授)が講評し、さらなる研究の進展への期待を語りました。
なお、医学部医学科研究助成金(基盤的研究助成)に採択された課題の終了報告と医学部医学科プロジェクト研究、医学研究基金の中間報告については、7月中旬まで本キャンパス内に掲示発表しています。
※当日のプログラムは以下のとおりです。
【はじめに】
秦野伸二教授[大学院医学研究科長]
【医学部医学科プロジェクト研究<終了報告>】
座長:穂積勝人教授[メディカルサイエンスカレッジ(伊勢原研究推進部)部長]
◇紙谷聡英[基礎医学系分子生命科学領域准教授]
「ヒト胆汁酸モデルマウスを用いた肝内胆汁うっ滞症の網羅的解析系の構築」
【医学研究基金<終了報告>】
座長:穂積勝人教授[メディカルサイエンスカレッジ(伊勢原研究推進部)部長]
◇柳川享世[基礎医学系生体機能学領域助教]
「新規エクソソーム内包タンパク質が司る肝発生と線維肝再生の分子機構」
【医学部医学科研究助成金(重点的研究助成)<終了報告>】
座長:大塚正人教授[メディカルサイエンスカレッジ(伊勢原研究推進部)次長]
◇永堀健太[基礎医学系生体構造学領域特認講師]
「自己免疫性精子形成障害における標的抗原の同定―候補分子の探索―」
◇大友麻子[基礎医学系生体機能学領域講師]
「ALSサブタイプ特異的細胞モデルの作出と解析」
◇三浦浩美[基礎医学系分子生命科学領域助教]
「新たなインテグラーゼ系を応用した、改良型遺伝子改変マウス作製法の開発」
◇遠藤 整[基盤診療学系衛生学公衆衛生学領域准教授]
「非接着環境が形成するがん細胞特性の解明と転移治療への応用」
座長:八幡 崇教授[メディカルサイエンスカレッジ(伊勢原研究推進部)次長]
◇二上菜津実[専門診療学系放射線治療科学領域助教]
「多方向のスライス画像を用いた深層学習による心臓構造の自動描出手法の開発」
◇鈴木進悟[基礎医学系分子生命科学領域助教]
「HLA-Fゲノム領域に位置するGVHD感受性多型に基づく新たな予後予測因子の同定」
◇沓澤直賢[内科学系呼吸器内科学領域助教]
「Piezo1をターゲットとした急性肺障害の新規治療の開発」
◇佐藤翔太[総合診療学系総合内科学領域助教](※発表要旨で報告)
「AIを用いた全血算データ解析による発熱患者の血液培養陽性症例早期検出システム構築」
◇小泉賢洋[内科学系腎内分泌代謝内科学領域講師](※発表要旨で報告)
「慢性移植腎障害とポドサイト」
【講評】
穂積勝人教授[メディカルサイエンスカレッジ(伊勢原研究推進部)部長]