医学部医学科では4月4日、5日に神奈川県箱根町で、新入生研修会を実施しました。学生同士や教職員との共同体験を通して大学生活への意欲を高め、学修目標を設定する機会として企画しているものです。学生たちは、グループ討論などを通じて医学生としての意識を向上させるとともに、仲間同士の親睦を深めました。
初日は、アイスブレイクとグループ別討論会のイントロダクションを兼ねて、「今、最も興味のある医学?医療のトピックス」「歴史の中で最も医学の発展に貢献したと思う人」「良医となってどんな研究をしたいか」の3つの話題について、ワールドカフェ形式でディスカッション。グループ別討論会ではその内容を踏まえ、「良医が身につけるべきリサーチマインドとは?」をテーマに意見を交わしました。また、基盤診療学系医療倫理学領域の竹下啓教授による医学生として守るべき規範に関する講義や、総合診療学系総合内科学領域の小澤秀樹教授によるキャリアとしてのホスピタリストに関する講義も聴講しました。
2日目には、グループ別討論会の成果を発表。学生たちは、「良医と何か」「医師が研究する意義」「研究心を持ち続ける大切さ」といった多様な視点から議論した結果を報告し、活発な質疑応答を交わしました。講評では指導教員の八幡崇教授(基礎医学系生体防御学領域)が、海洋生物学者レイチェル?カーソンの著書『The Sense of Wonder』に触れ、「森羅万象に対して驚いたり面白いと感じたりすることがあらゆる学問や研究の原点になります。医学を学ぶ皆さんは、神秘さや不思議さに目を見張る感性と、疑問に思ったことを探究する姿勢を保つとともに、腕はプロフェッショナル、心はアマチュアのような純粋な感性を持ち続ける、そういう良医を目指してください」と語りかけました。
学生たちは、「共に学ぶ仲間と医学や研究について深く語り合ったことで、勉学へのモチベーションが高まりました」「医師は医療を提供するだけでなく、研究者としても社会に貢献できるのだとあらためて認識しました。“なぜだろう”という視点を忘れずに勉学に励みたい」と意欲を見せていました。
伊勢原教育計画センター長の濵田昌史教授(専門診療学系耳鼻咽喉科?頭頸部外科学領域)は、「新型コロナが5類感染症に移行したこと受けて宿泊研修を復活しましたが、学生たちが学外においても自らの行動を律し、感染対策を意識しながら研修に取り組んでくれたことをうれしく思います。グループ別討論では、医学研究について過去、現在、未来の視点から考えるとともに、臨床研究の意義やリサーチマインドの重要性について理解を深めてくれたと感じています。本研修で得た気づきや討論した内容を、6年間を通じてさらに掘り下げてほしい」と話していました。