医学部では7月31日と8月1日に、伊勢原市立子ども科学館と連携して、地域の小中学生を対象とした科学実験教室と研究室ツアーを開催しました。本学が展開する「To-Collaboプログラム※」に採択されたプロジェクト「生命科学実習と研究室開放?サイエンスカフェによる多世代間交流促進」の一環として実施したもので、地域の子どもたちや保護者らに最新の医学研究の場を知ってもらうとともに、教職員?大学院生?学部生らが地域との関係を深めることを目的としています。また、bet36体育投注_bet36体育官网app-在线*开户医学部付属病院が、特定機能病院としてさまざまな高度医療を提供しているだけでなく、医学部が活発な研究活動を行っていることを地域にアピールすることも目指しています。
初日は同科学館で、「いろいろなミュータント(突然変異体)の観察」をテーマに科学実験教室を行い、15名が参加。本学部の石井直明教授(基礎医学系分子生命科学)、阿部幸一郎准教授(同)、竹腰正隆非常勤講師の指導のもと、顕微鏡を使って、マウスや線虫の正常な遺伝子型を持つ個体と、突然変異を起こした個体の構造を観察しました。2日目は「研究室を見学してみよう」と題して、伊勢原キャンパスの医学部基礎医学系の6研究室と生命科学統合支援センターを見学し、子どもたちと保護者ら30名が参加。学生や大学院生、教員が研究内容や実験装置などについて説明しました。その後、松前記念講堂で石井教授が、参加した生徒一人ひとりに修了証を手渡しました。
また今回は全プログラム終了後に、多世代間交流の場として「サイエンスカフェ」を設け、参加者と同科学館スタッフ、学部生、大学院生や教員ら70名が集いました。研究内容に関する質疑応答のほか、学生らが医師や研究者を目指した理由や、勉学や研究に励む日々などが話題にのぼり、看護師として臨床現場での勤務を経て医学部に入学した学生や、介護のアルバイトをしながら研究を続ける大学院生が体験談を紹介。参加者は熱心に聞き入っていました。
子どもたちからは「顕微鏡を使った実験が楽しかった」「理科に興味がわきました」などの感想が、また保護者からは、「大学の医学部が研究の最前線であることを肌で感じることができました」「学生さんから医学部進学の経緯などを聞くことができてよかった。子どもが自分の将来を考えるきっかけになったと思います」との声が聞かれました。サポートした学生は、「研究内容を子どもにわかるように説明にするために工夫しました。プレゼンテーションの勉強になった」「今日のイベントに参加した子どもたちが医学部に進学し、自分が在籍する6年の間に一緒に学べたらうれしい」と感想を話していました
本プロジェクトの代表を務める阿部准教授は、「リピーターや兄弟で参加した子どももあり、本取り組みが地域の人々に受け入れられつつあると感じています。今後もこうしたイベントを継続し、市民の皆さんの医学研究に対する理解を深めるとともに、学生や大学院生が学業へのモチベーションを高め、子どもたちが本学への進学を目指すようになってほしい。そして、地域を愛し貢献する研究者や医師が、少しでも増えることを願っています」と語っていました。
※「To-Collabo(トコラボ)プログラム」
文部科学省の平成25年度「地(知)の拠点整備事業」に採択されたプロジェクト。全国にキャンパスを有する本学ならではの「全国連動型地域連携活動」を柱に、地域特有の問題や共通課題を各校舎の各部、学生、研究者が共有し協力して解決策を見いだす取り組みです。