医学部付属病院が公益社団法人日本水難救済会の「洋上救急制度創設30周年記念名誉総裁表彰」を受章しました。10月5日に東京都千代田区の海運クラブで開催された記念式典で表彰式が行われ、同会名誉総裁の高円宮久子さまから猪口貞樹病院長と廣瀬利美雄事務部長に、名誉総裁功労者表彰状と名誉総裁盾が授与されました。式典には太田昭宏国土交通大臣や佐藤雄二海上保安庁長官、佐藤一雄水産庁長官ほか多数の来賓が列席し、海上保安庁、海上自衛隊、航空自衛隊をはじめ関係団体から約200名が出席しました。
洋上救急は日本の周辺海域で救急医療措置が必要な疾病者が発生した場合に、医師、看護師が海上保安庁や自衛隊の航空機などに同乗して現場に急行し、応急的な医療措置を施しながら最寄りの病院まで救急搬送する日本独自の制度です。国と海事?漁業関係業界、143の医療機関など官公民の連携協力により維持運営されており、国籍を問わず、商船や漁船、クルーズ船の船員や乗客を対象としています。本病院では1988年7月23日の初出動以来、医師136名、看護師ら77名、計213名を77回にわたって派遣してきました。今回はこうした洋上救急活動に対し、日本医科大学付属病院、沖縄赤十字病院とともに表彰されたものです。
高円宮久子さまは「長年にわたり厳しい救急医療の現場に多くの医師や看護師を派遣し、洋上救急制度の円滑な維持運営のために温かいご理解とご支援を寄せてこられた皆さんに感謝します」とあいさつされました。本病院の医師として初の洋上救急活動にも携わった猪口病院長は、「これまでの取り組みを評価していただき、大変光栄に思います。四方を海に囲まれた日本において、洋上での救急活動は不可欠。引き続き協力していきたい」と話しています。