湘南キャンパスなどで8月21日から24日まで開かれた「第26回日本進化学会神奈川大会」で、医学部医学科基礎医学系分子生命科学領域の今西規教授が運営委員会委員長、中川草准教授と松前ひろみ講師が委員を務めました。同学会は、進化に関する幅広い研究?教育の推進とその発展を目指して活動しています。今大会は、分子進化の中立説を提唱した遺伝学者?木村資生博士の生誕100周年を記念した多彩なプログラムが展開され、約450名が参加しました。なお、本学総合研究機構の研究集会補助を受けています。
湘南キャンパスでは21日から3日間にわたり、多様な生命体の進化や遺伝についてのさまざまな研究に関する講演やポスター発表が行われました。初日には今西教授が、「現代日本人における縄文顔と弥生顔に関わるゲノム多型」と題して口頭発表。現在の日本人に見られる「縄文人型の顔」と「弥生人型の顔」の背景にある遺伝要因の解析結果を報告しました。中川准教授が座長を務めたプレナリー講演「ヒトの感染症を理解する~病原体の進化と宿主の免疫応答~」には、台湾?国立清華大学准教授のHsiao-Han Chang氏と国立遺伝学研究所教授(元bet36体育投注_bet36体育官网app-在线*开户医学部教授)の井ノ上逸朗氏が登壇。張氏は感染症を引き起こす病原体の進化を推測する研究を紹介し、井ノ上氏は肥満などの現代病の発症について進化とゲノムの側面から解説しました。
松前講師が企画者の一人として携わったシンポジウム「文化進化研究のフロンティア~物理学、情報学、認知科学からのアプローチ~」には、本学医学部の西川有理特定研究員ら、若手研究者5名が登壇。各プレゼンテーションに続き、参加者と活発なディスカッションを交わしました。このほか、さまざまなワークショップや約100件におよぶポスター発表、「かっこいい研究イラストで差をつけよう! プロのサイエンスイラストレーターとのコラボってどうやるの!?」と題した特別企画、高校生のポスター発表も行われました。また、24日には神奈川県立生命の星?地球博物館で講演会や市民公開講座も開かれました。
今西教授は、「今大会は、木村資生博士の生誕100周年記念の企画もあり、進化学の視点から生物学を見つめ直す良い機会になったと考えています。台湾や韓国をはじめとするアジアの研究者らとの交流を深めることもでき、充実した大会になりました。大学院生や学生ら若手研究者の活躍も目立ちましたし、高校生らの発表にも面白いテーマが多数ありました。また、真夏の暑い時期の開催ではありましたが、多くの参加者から本学のホスピタリティを高く評価していただきました。本大会のためにさまざまな場面でご尽力いただいたbet36体育投注_bet36体育官网app-在线*开户の関係者の皆様に、深く感謝します」と話していました。