8月11日に伊勢原キャンパスで、伊勢原市内の小学6年生を対象とした「ブラック?ジャックセミナー」を初めて開催しました。本学は文部科学省「がんプロフェッショナル養成基盤推進プラン」の採択を受け、慶應義塾大学を中心とした9大学とともに「高度がん医療開発を先導する専門家の養成」に取り組んでいます。このセミナーは、小学生に「がん」について知ってもらい、命の大切さについて考えるきっかけをつくるとともに、地域との連携強化を図ることを目的として開講。医学部付属病院と大学院医学研究科がジョンソン?エンド?ジョンソン株式会社と共催し、伊勢原市教育委員会の協力を得て開いたものです。当日は、本病院の医師らが講師を務めて「がん」に関するミニ講座や手術体験を実施。36名の小学生が参加し、多数の保護者が見学しました。
セミナーの冒頭で小林広幸医学研究科長が、「子どもたちにがんや医療について興味を持ってもらうことも、『がんプロフェッショナル養成基盤推進プラン』の目的の一つです。今日は、楽しく学んでください」とあいさつ。ミニ講義では、岩﨑正之教授(外科学系呼吸器外科学)が肺がんを例に挙げて「がん」の原因や特徴を説明したほか、外科医の一日について紹介しました。
続いて、医師や看護師が手術室に入る前の準備や正しい手術着の着方について説明。子どもたちは帽子やマスク、術衣、手袋を身に付けて中央手術室に移動し、実際に外科医が使用している医療器具などを使って、「手術前の手洗い」「内視鏡用鉗子操作」「超音波メス操作」「手術用針?縫合糸の縫合?結紮」「自動縫合器操作」を体験しました。「超音波メス操作」では、本番の手術同様、「これから○○さんの××摘出手術を行います」と宣言して、鶏肉片からビーズを取りだす実習に挑戦。「内視鏡用鉗子操作」では、左右の鉗子を使ってビーズを箱から箱へ移動したり、針金に輪ゴムを掛けたりするなどのトレーニング用ゲームを行いました。子どもたちは医師の指導を受けながら、各プログラムに真剣に取り組んでいました。
終了後は、小林研究科長が一人ひとりに修了証を授与。子どもたちは、「医学や手術について興味がわきました。お医者さんは本当にありがたく、素晴らしい存在だと感じました」「将来の夢は医師になることです。今日の体験を忘れずに、たくさん勉強して夢をかなえたい」などと話していました。また保護者からは、「さまざまな体験を通じて、子どもは、がんの知識だけでなく、病気と闘う医師たちの真摯な姿勢を感じることができたと感じています。今日の経験は、将来きっと役に立つと思います」といった感想が聞かれました。