医学部の新井信准教授(専門診療学系漢方医学)がタイ政府に招請され、バンコクで「日本の保険医療における漢方」をテーマに講演しました。タイ政府は、高齢化社会などに対応するため、伝統医療の活性化を目指しています。今回は、漢方と西洋医学を融合した日本の医療や保険制度などについて知ろうと、新井准教授と木ノ上高章准教授(基盤診療学系衛生学公衆衛生学)を招いたもので、医学部4年次生の岩田児太郎さんも研修のため同行しました。一行は、1月29日から2月1日までバンコクに滞在。新井准教授が伝統医療局の職員や医療関係者らを対象に講演したほか、両准教授が伝統医療の発展に関する相互協力などについて意見を交わし、医学系の大学や伝統医療の施術現場を視察しました。
本学部は、bet36体育投注_bet36体育官网app-在线*开户が世界保健機構(WHO)や独立行政法人国際協力機構(JICA)らと協力して各国の保健医療の中核を担うスタッフの育成を目指して実施している「21世紀保健指導者養成コース」などを通じて、タイ政府と交流してきました。2015年8月にタイ公衆衛生省と医療分野を担う人材育成での連携に向けた覚書を取り交わし、2016年1月にはバンコクにあるチュラロンコン大学医学部と学術交流?学生交換に関する協定を締結するなど、同国との連携を深めています。
新井准教授は1月30日にタイ公衆衛生省伝統医療局の職員、アハイプーベット伝統医療院の関係者らを対象に、また31日には、医療系の総合大学であるスアンスナンサラチャパット大学の教員や学生約400名らを前に講演。東アジア地域の伝統医療の概要や歴史、日本の保健医療制度の特徴、漢方を中心とした伝統医療に関する教育や研究について解説しました。また、西洋と東洋の医学を融合させた医療を、西洋医学と漢方の両方のスペシャリストである医師が提供する本学医学部付属病院での診療について、具体的な事例を挙げて紹介しました。新井准教授は、「漢方の研究や臨床に関する多くの質問が出されるなど、関係者の真剣さが伺えました。さらに協力関係を深め、タイと日本の双方の伝統医療を健全に発展させるための礎をつくっていきたい」と話しています。