医学部医学科の学生4名が、1月28日から2月3日までタイ?バンコクで開催された「2018年マヒドン王子記念賞国際会議」(Prince Mahidol Award Conference2018=PMAC 主催:タイ国政府、マヒドン王子記念賞財団、共催:独立行政法人国際協力機構=JICAほか)に参加。このうち、4年次生の佐久間真紀さんと2年次生の塚本恵子さん、久松亜里沙さんの3名が、分科会の議事録やサマリーを作成するラポーターを務めました。日本の大学生でラポーターを担当したのは3名のみです。佐久間さんらは、タイをはじめアジア各国の医学生や大学院生、医師らと4人1組になって講演やパネルディスカッションの内容を要約し、要点をパワーポイントにまとめるといった重要な業務に取り組みました。
PMACは、国際保健に貢献した人を顕彰し、国際社会における保健関連の重要な課題の解決に向けて議論する国際会議で、毎年1月に行われています。今回は、「世界を新興感染症の脅威から守る」をテーマに開かれ、タイのシリントーン王女をはじめ、世界保健機関(WHO)や世界銀行、各国の政府関係者、学識者、研究機関、市民団体の代表者ら、85カ国から約1300名が参加しました。
世界各国の感染症対策に興味を持ち、コソボ共和国の結核医療施設を見学した経験を持つ佐久間さんは、「感染症に関するグローバルな取り組みについて学びたい」と考えて参加。「国際会議のラポーターを経験できただけでなく、ランチ会やフィールドトリップでパネリストや来場者と積極的に交流し、文献を読むだけではわからない世界の感染症対策の現状や課題、組織横断的な対策について学びを深めることができました。人脈が広がったことも大きな収穫です」と振り返っていました。
塚本さんと久松さんは、1年次生のときに本学がWHOやJICAと連携協力して実施した「21世紀保健指導者養成コース」に個別体験学習として参加。その際、公衆衛生や国際保健に興味を持ち、同コースの運営事務局を担当していた本学部の木ノ上高章准教授(基盤診療学系衛生学公衆衛生学)の勧めもあって、ラポーターに挑戦しました。塚本さんは、「中国やタイの医学生や大学院生と意見を交わしながら、よいチームワークでサマリーの作成に取り組めました。公共政策や途上国の医療政策に興味があり、WHOなどの国際機関で働くのが目標です。さまざまな国の医療関係者と出会うことで、今後の学びに向けて多くの刺激を受けました」とコメント。また、久松さんは、「感染症に関する多様な考え方を知り、視野が広がりました。公衆衛生やさまざまな保健医療政策についてさらに学習し、将来は世界の保健医療問題の解決に貢献したいと考えています。ラポーターを務められて感謝しています。機会があればまた挑戦したい」と抱負を話していました。