医学部付属八王子病院が「総合防災訓練?緊急医療救護所連携訓練」を実施しました

医学部付属八王子病院では10月12日に、火災や大規模地震の発生を想定した「総合防災訓練?緊急医療救護所連携訓練」を院内で実施しました。本病院は災害時に傷病者の受け入れや医療救護活動を行う東京都災害拠点病院に指定されており、地域と連携して定期的に防災訓練に取り組んでいます。今回は、防火防災対策室の福原昭彦室長を中心に昨年度末から準備を開始。本病院と委託業者はじめ、八王子市や同市の消防署、医師会、歯科医師会、薬剤師会、柔道整復師会から約130名が参加しました。また、市立看護専門学校の生徒14名も傷病者役として訓練に取り組みました。

「火災対応訓練」は、4階デイルームからの出火を想定。職員による初期消火や患者らの避難誘導、4階の屋上からはしご車で地上に避難する訓練を行いました。多摩南部を震源とする震度6強の地震発生を想定した「対策本部の設置?運営訓練」では、病院長を本部長とする震災対策本部を設置して速やかに院内の被害状況を確認し、救護所などの設置の可否を判断。続く「緊急医療救護所連携訓練」では、職員が救護所と傷病の程度を判断するトリアージエリアを設置し、対策本部と連絡を取り合いながら、模擬患者を「重症」「中等症」「軽症」の各エリアに搬送する訓練に取り組みました。また、院内における検査や手術、入院のほか、他の医療機関への搬送を調整する訓練も実施。栄養科の職員による炊き出し訓練も行いました。

終了後には、訓練の責任者を務めた防火防災対策検討会委員長の大塚洋幸救急センター長が、「災害対応への課題が明らかになり、学びの多い訓練でした。災害発生時には、専門分野を問わず助け合い、一人でも多くの傷病者を受け入れるという自覚と覚悟が必要です。災害拠点病院としての役割を果たすため、今回の経験や学びを全スタッフで共有し、救急時の対応をさらに充実させていきます」とあいさつ。続いて、各参加団体の代表が訓練を振り返りました。

最後に野川茂病院長が講評し、「南海トラフ地震や首都直下型地震は、いつ発生してもおかしくないといわれており、大雨や台風による災害も毎年のように起きています。災害医療は本病院の柱の一つでもあり、緊急時にも地域の皆さんに貢献できるよう努めてまいります。引き続きご協力をお願いします」と述べました。