医学部医学科では3月13日に伊勢原校舎で、「2022年度医学部医学科研究成果報告会」を実施しました。本学科では、医学とその関連諸領域における研究レベルの向上や優れた研究の重点的な支援を目的として、さまざまな研究助成制度を設けています。この報告会は、本制度の採択を受けた研究テーマについて1年間の成果を共有するものです。当日は14名が発表し、教職員や学生、大学院生ら約60名が参加しました。
初めに、大学院医学研究科の小林広幸研究科長(基盤診療学系臨床薬理学教授)が登壇。「この会が各研究のステージを上げるとともに、新たな共同研究が生まれる場となるよう、ぜひ活発に討議してください。本学の創立者?松前重義博士は、“研究はオーケストラである”と語っています。各パートが素晴らしい音色を響かせながらコラボレーションし、新しいオーケストラの創造につなげてほしいと願っています」とあいさつしました。
続いて、将来を嘱望される研究者の主導による創造的かつ先端的な研究に対して2年間助成する「医学部医学科プロジェクト研究」、医学部医学科研究助成金による助成を受けた研究の中から、より発展が期待されるテーマについて3年間支援する「医学研究基金」についてそれぞれ1名が、採択期間の満了に伴う終了報告を行いました。その後、医学関連研究のレベル向上に寄与すると認められる優れた研究を重点的に支援する「医学部医学科研究助成金(重点的研究助成)」を受けた12テーマについて各研究者が成果を発表し、活発な質疑応答や意見交換を展開しました。最後に、メディカルサイエンスカレッジ(伊勢原研究推進部)の秦野伸二部長(基礎医学系分子生命科学教授)が講評し、さらなる研究の進展への期待を語りました。
※当日のプログラムは以下のとおりです。
【はじめに】
小林広幸教授[大学院医学研究科長]
【医学部医学科プロジェクト研究<終了報告>】
◇座長:秦野伸二教授[メディカルサイエンスカレッジ(伊勢原研究推進部)部長]
1.山本典生教授[基礎医学系生体防御学]
「高い有効性を持ち薬剤耐性ウイルスにも対応可能なCOVID-19治療戦略の開発」
【医学研究基金<終了報告>】
◇座長:秦野伸二教授[メディカルサイエンスカレッジ(伊勢原研究推進部)部長]
1.住吉秀明講師[基盤診療学系先端医療科学]
「bet36体育投注_bet36体育官网app-在线*开户発の新規皮膚再生促進薬?人工マトリックスによる皮膚再生医療の開発」
【医学部医学科研究助成金(重点的研究)<終了報告>】
◇座長:穂積勝人教授[メディカルサイエンスカレッジ(伊勢原研究推進部)次長]
1.工藤 海奨励研究員[外科学系腎泌尿器科学]
「脂質超過酸化誘導ナノ粒子;LUPINを用いた悪性腫瘍における新規治療戦略の創成」
2.後藤和人准教授[基盤診療学系臨床検査学]
「ミトコンドリア依存的なNAFLD/NASH増悪の新たな分子メカニズムの解明」
3.増田治史准教授[基礎医学系生体構造機能学]
「細胞外ATPによる炎症性免疫学的血栓形成に対する蛇毒由来バトロキソビンの抑制効果」
4.中山正光(大学院生)[内科学系循環器内科学]
「個別血小板の接着動態から個別最適化抗血小板治療を可能とする革新的医療機器の開発」
5.赤塚尚子特定研究員[基礎医学系生体防御学]
「Ambra1の新機能 脂質代謝制御の生理的意義と分子機構」
6.鬼塚真仁准教授[内科学系血液?腫瘍内科学]
「骨髄環境因子が造血幹細胞の老化に与える影響の解析」
◇座長:佐藤正人教授[メディカルサイエンスカレッジ(伊勢原研究推進部)次長]
7.金 伯士講師[外科学系腎泌尿器科学]
「ミトコンドリアゲノム腫瘍変異量に着目した胃がん治療薬の新規バイオマーカーの開発」
8.遠藤 整准教授[基盤診療学系衛生学公衆衛生学]
「環境ストレス応答によるがん転移と転移臓器の決定機構の解明」
9.吉田 浩准教授[専門診療学系産婦人科学]
「血中糖蛋白質濃度と糖鎖組成パターンの2次元的腫瘍マーカーの開発」
10.中山駿矢奨励研究員[内科学系血液?腫瘍内科学]
「脂質の質(リポクオリティ)によるサイトカインストーム制御機構の解明」
11.今井 仁助教[総合診療学系健康管理学]
「腸内細菌と宿主免疫の多角的な解析で潰瘍性大腸炎の最適な治療選択を目指す戦略の確立」
12.夜久優夢(大学院生)[基礎医学系分子生命科学]
「複合ヘテロ接合体による遺伝性肝疾患の、遺伝子治療効率向上を目指した研究」
【講評】
秦野伸二教授[メディカルサイエンスカレッジ(伊勢原研究推進部)部長]