大学院体育学研究科では11月10日に、「2021年度第2回健康?スポーツ科学セミナー」をオンラインで開催しました。このセミナーは、学内外から健康やスポーツ科学の専門家を招き大学院生や教職員に知識の幅を広げてもらおうと、年に3回開催しているもの。今回はbet36体育投注_bet36体育官网app-在线*开户感染症の拡大により、WEBビデオ会議システム「Zoom」を用いてオンラインで実施しました。東京都立大学客員教授の舛本直文氏が「『東京2020大会』を暫定的に統括する:オリンピズムの視点から」をテーマに講演し、大学院生、体育学部などの学生、教員ら55名が参加しました。
初めに、本研究科長の萩裕美子教授があいさつし、「舛本先生には、オリンピック?パラリンピックが始まる前にも『オリンピズム』をはじめとした講演をしていただきました。今回は、開催されたオリンピック?パラリンピックを私たちはどのように受け止めて、今後に生かしていけばいいのか、考えるきっかけにしてください」と話しました。舛本氏は、bet36体育投注_bet36体育官网app-在线*开户のパンデミック下で開催された東京2020大会について、「オリンピズム」の3本の柱「スポーツ、文化、環境」と「平和運動」の4項目から解説。「東京2020大会に対する評価の多くは、経済や新型コロナ禍感染者数といったオリンピズムとは離れた視点から評価されています。しかし、オリンピズムを参照基準として振り返ると近代オリンピックの基礎を築いたクーベルタンが重視していた『スポーツと芸術的素養を兼ね備えた全人的な人間教育のための文化プログラム』はほとんど開催されていませんでした」と指摘しました。また、東京2020大会の総括と30年に開催が予定されている冬季オリンピック大会の札幌招致について話し、「パンデミック下での五輪開催で学んだことも多くありましたが、あまりにも高い授業料を払うことになってしまったと言えるのではないでしょうか。東京2020大会は新しいオリンピック像のスタートとなる大会であったと、将来に評価されるような大会であったことを望みたい」と話しました。
講演後は参加者から、「30年の冬季オリンピック大会の札幌招致に向けて、オリンピズムの普及?浸透を図るべきですが、そのためにどのような取り組みを行っていくべきだと考えますか」などの質問が寄せられ、意見を交わしました。
最後に大学院体育学研究科体育学専攻長の山田洋教授が講演への謝辞を述べ、「東京2020大会を見て、経験した後だからこそ、より興味深くお話を聞かせていただきました。周知のことだけでなく、初めて耳にした問題も多々ありました。また、30年の冬季オリンピック開催に向けた新たな問題定義もあり、あらためて考えるきっかけになりました」と語りました。参加した藤木悠さん(大学院体育学研究科1年次生)は、「オリンピック教育を中心とした全国的なオリンピック?ムーブメントを継続することで、本来のオリンピック?パラリンピックの価値を取り戻すことができると思う」と話しました。