体育学部では10月19日に、湘南校舎で国際協力セミナー「体育?スポーツで国際協力」を開催しました。JICA海外協力隊への経験者から体験談を聞き、国際協力や国際交流について考えるきっかけにする機会として、公益社団法人青年海外協力協会と共同で開催したものです。当日は、青年海外協力隊のOBでスポーツ?レジャーマネジメント学科の松浪稔教授が進行役を務め、国際協力に関心を持つ同学部の学生約70名が参加しました。
開催に先立ち、内山秀一学部長があいさつし、「コロナ禍以降の海外渡航は制限されてきましたが、徐々に緩和され留学や国際協力が再開し始めています。青年海外協力隊には、本学のOB?OGの多くが参加してきました。 スポーツ関連で海外に行くと言うと国際大会への出場などを思い浮かべますが、体育?スポーツの技術や楽しさなどを世界に伝える方法として青年海外協力隊があります。経験者からの話を聞いて、海外へ目を向けるきっかけにしてください」と語りました。続いて、同協会で協力隊募集支援総括主任を務める原浩治氏がJICA 海外協力隊の事業概要を説明。派遣方法の種類や9分野190種以上の職種、派遣中の待遇、帰国後の進路状況などについて解説した後、体育隊員とスポーツ隊員の活動形態や協力隊に参加するための必須項目を紹介しました。
その後は、本学部卒業生の木村江巳香さん(大学院体育学研究科2015年度修了)が、15年度からJICA青年海外協力隊員として、中南米のグアテマラで2年間活動した体験談を紹介。初めに、参加したきっかけや派遣までの流れを説明し、「大学院時代の友人が海外派遣に関心があったことや所属研究室の松浪先生が経験者だったことから、在学時に開催されたこのセミナーに参加しました。そこで関心を持ち、卒業後の参加を決意しました。国内での派遣前訓練や現地での語学研修を終えてから配属先へ派遣されます」と説明しました。続いて、グアテマラの環境や文化を解説するとともに、現地での要請に合わせた活動内容を紹介。「スポーツを通じた青少年の健全育成や障害を持った人々に対する指導をはじめとする5つの要請があり、現地のスタッフと相談して子どもの年齢ごとに分かれた3つのクラスと障害児クラスを設けた水泳指導をメインに取り組みました」と振り返り、自分や派遣仲間の帰国後の進路についても紹介しました。
最後に、木村さんは、「いかに楽しく参加してもらうかを考えるだけでなく、時にはけんかの仲裁や相談を受けるなど学校の先生のような働き方をしていました。海外派遣は敷居が高く思われがちですが、充実したサポートもあるので安心して取り組めます。文化や言語の違いで戸惑うこともあると思いますが、失敗して当たり前です。さまざまな職種がありますので、自分に合うものを探して、皆さんも青年海外協力隊に参加してみてください」とメッセージを送りました。