スポーツ医科学研究所の山田クリス孝介准教授が、3月21日に静岡県?沼津商工会議所で開催された「伊豆ヘルスケア温泉イノベーションプロジェクト(ICOIプロジェクト)」の成果報告会で講演しました。ICOIプロジェクトは、静岡県が2021年度から推進している温泉研究拠点創出を目指した産官学連携事業です。本学体育学部は、昨年9月に同プロジェクトの採択を受けている西伊豆町と「スポーツによる地域振興にかかわる連携に関する覚書」を締結しており、スポーツ医科研も加わって同町に広がる豊かな自然や温泉を活用したアスリート支援プログラムの開発に取り組んでいます。
当日は、ICOIプロジェクト実証事業に携わる関係者や環境省の職員、静岡県議会議員ら約60名が参加。冒頭で、静岡県経済産業部理事の齊藤卓己氏らが成果報告会への期待を語り、県の担当職員がプロジェクトの概要を説明しました。その後、実証事業の成果が報告され、山田准教授が登壇。昨年10月から12月にかけて、ジャパンラグビーリーグワン「静岡ブルーレヴズ」のプロアスリートや本学運動部の選手らを対象に実施した実証実験の成果を発表しました。「アスリートはオフシーズンであっても、軽負荷トレーニングを用いたアクティブトレーニングが必要とされており、心身共にリフレッシュできるプランを創出したいと研究を続けています」と語り、実証実験で選手たちが取り組んだ温泉プールを活用したトレーニングや専門家による「ミニ学術講座」、低脂質高タンパクな食材を使ったアスリート向け食事メニューなどを紹介。「世界的に見ても温泉を活用したアクティブリカバリーに関する研究論文はほとんどないため、本研究の意義は大きいと考えています。昨年実施した実験に協力してくれた選手たちの満足度は高く、施設やトレーニング時間については改善に向けた貴重な意見も集まりました。すでに自治体向けの合宿受け入れマニュアルやガイドブックを製作しており、今後は企業とも連携してツアー企画の販売へとつなげ、地域振興に協力していきます」と意欲を語りました。