経済学科の山本雅資教授の論文が学術雑誌『Waste Management』に掲載されました

政治経済学部経済学科の山本雅資教授が執筆した論文『What activities reduce plastic waste the most? – The path to a circular economy for Japan’s manufacturing industry』(共著者:Dr. Saifun Nahaer Eva)がこのほど、学術雑誌『Waste Management』のWEB版(https://www.sciencedirect.com/journal/waste-management)に掲載されました。

近年、プラスチック廃棄物への関心は世界的に高まりを見せており、企業や自治体においてさまざまな取り組みが実施されていますが、その多くは家庭から排出されるプラスチックを対象としたものです。一方で、日本の産業界におけるプラスチック廃棄物の排出量は家庭から排出される廃棄物とほぼ同量であることから、環境?資源経済学を専門とする山本教授は今回、過去20年程度の産業系のプラスチック廃棄物の変化要因について分析しました。本研究では、Levinson(2015)によって示された新しい方法で変化要因を「規模効果」「技術効果」「代替効果」の3つに分解することで、どの効果がプラスチック廃棄物の削減に貢献しているかを検証。その結果、「技術効果」がそのほとんど占めることが明らかになりました。

山本教授は、「これまでの先行研究は要因分解の対象として大気汚染や二酸化炭素排出量を用いており、私たちの知る限りこの研究が廃棄物分野への初の応用となります。既存研究では『代替効果』が一定の存在感があり、対照的な結果となりました。また、立法府による規制がない中で産業界からのプラスチック廃棄物が減少していったことの理由としては、経団連による一連の自主的な取り組みが日本ならでのチャネルで大きな役割を果たしたのではないかと結論づけました」と語っています。

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