大熊教授のゼミナールが湘南地域の再生可能エネルギー事業を現地調査しました

 政治経済学部経済学科の大熊一寛教授のゼミナールでは、8月25日に小田原市の湘南電力株式会社を訪問し、再生可能エネルギー事業の現地調査を行いました。小田原地域では、自治体と企業が協働して、地域主導の再生可能エネルギー事業を全国に先駆けて進めてきています。そのリーダーの1つである湘南電力を訪れて調査し、ゼミの研究に活かしていくことが目的です。今回は昨年度に引き続いて2回目の調査で、新たなメンバーが現地を訪れ、再エネを通じた地域づくりの取組について経緯や課題を学びました。
 はじめに発電会社ほうとくエネルギー株式会社の大脇氏からご挨拶をいただいた後、湘南電力株式会社の土井氏から、同社の事業とともに小田原地域の再エネ関連の取組が展開してきた経緯について説明を受けました。東日本大震災をきっかけにエネルギーの自給を目指す動きが生まれ、地元企業が力を合わせて再生可能エネルギーの会社を設立。次いで電力供給を行う地域電力会社も設立され、一体となって取組を進めてきているとのこと。「小田原市で年間約300億円もの電気料金が支払われ、そのほとんどが地域外に流出してしまっていました。これを地域内で循環させたいのです」とお話ししていました。

 次いで、事業の出発点になった太陽光発電所を現地で見学しました。地元企業と市民の出資でつくられた大規模発電所で、参加した企業や市民のお名前が木製のプレートに刻まれていました。また、発電と蓄電で災害時も電力供給を可能にする「地域マイクログリッド」の実証プロジェクトも見学しました。
 最後に、同社の若手社員も参加して質疑や意見交換を行いました。地域新電力会社という新しい分野で働くのはどんなことなのか、仕事の内容をお聞きするとともに、この分野で働くことにした理由や想いも伺いました。学生からは、火力と再生可能エネルギーの関係の現状、太陽光以外の再エネの可能性、太陽光発電を拡大できる可能性などについて多くの質問が上がり、地域づくりと再エネを中心にさまざまな学びを得ていました。