2023年8月31日-9月1日に富士交流プラザ(静岡県富士市)で開催された第36回におい?かおり環境学会において、理学研究科化学専攻の村松真歩さん(修士2年生)が「ヒト皮膚から放散するγ-ラクトンの性差および年齢依存性」と題してポスター形式で研究発表を行い、ベストプレゼンテーション賞に輝きました。
村松さんは学部4年次から体臭の原因となる皮膚ガスに関する研究に取り組み、若年女性に特徴的なγ-ラクトンの発生メカニズムの解明に努めています。γ-ラクトンは桃の香りの主成分で、甘い香りを放つ皮膚ガス成分として注目されています。
村松さんは、これまでの研究において、女性からのγ-ラクトンの放散には女性ホルモンの作用が関与すること、イソフラボンを含む豆乳飲料を摂取するとγ-ラクトンの放散が増えることなどを明らかにしています。今回の発表では、10歳代から50歳代までの健常者を対象に皮膚からのγ-ラクトン放散量を測定し、女性の場合は10歳代~20歳代で著しく高い放散量を示すが、加齢とともに減少してしまうこと、男性の場合はもともと放散が少なく、年齢依存性が認められないことを明らかにしました。
ポスターセッションでは多数の聴講者が関心を持たれ、質問やコメントを多く頂きました。村松さんは「私の研究に興味を持って頂けて嬉しい限りです。現在は運動実施によるγ-ラクトン放散への影響について考察を深めています。より詳細なγ-ラクトン生成メカニズムを明らかにすることが今の目標です。」と語り、今後の研究の発展が期待されます。