物理学科の遠藤教授が共著した論文が国際ジャーナル『Advanced Optical Material』に掲載されました

理学部物理学科の遠藤雅守教授が共著した論文『Solar Pumping of Fiber Lasers with Solid-State Luminescent Concentrators』が、6月18日に発行された国際ジャーナル『Advanced Optical Material(AOM)』に掲載され、関連図が表紙を飾りました。

遠藤教授の研究室では、太陽光からレーザーを生成する装置の開発に向け、ドイツのカールスルーエ工科大学やトヨタ自動車株式会社などと共同研究に取り組んでいます。太陽光レーザーは、大きなレンズで太陽を追尾し集光する必要がある点が課題でしたが、本研究室では二色性ミラーと蛍光剤を活用し装置内に太陽光を閉じ込めることで、追尾と集光を不要とする方式を提案。2019年には世界初のレーザー発振に成功しました。今回AOMに掲載された論文は、カールスルーエ工科大の研究者らが蛍光剤を特殊な固体色素に変えることでレーザーの出力が数十倍になることを発見し、その成果をまとめたものです。

遠藤教授は、「私たちが開発した手法を用いた研究成果が権威あるジャーナルに評価されたことを誇らしく思います。蛍光剤を固体色素に変えるだけでこれほど出力が増えるのは意外な結果であり、本研究分野における一つのブレイクスルーだと感じています。実験担当の私たちも負けていられないという気持ちになりました」とコメント。また、「今回の論文はあくまで理論計算であり、本研究室で実験を行い証明することができました。成果をまとめた論文をAOMに投稿し、現在査読を受けています。研究室の学生も頑張って実験に取り組んでくれたので、評価されることを期待しています」と語りました。