大学院理学研究科数理科学専攻2年次生の今田一希さん(指導教員=理学部数学科?山本義郎教授、理学部情報数理学科卒業)が、日本統計学会スポーツ統計分科会主催の「第6回スポーツデータ解析コンペティション」で優秀ポスター賞を受賞。3月20日に都内で行われたシンポジウム「スポーツアナリスティックと統計科学」に合わせて行われた表彰式で賞状などが授与されました。このコンペは、統計科学を用いることでスポーツ界の発展に貢献するとともに、スポーツを通した統計科学の発展に寄与することを目指して野球?サッカーの両部門で行われており、今田さんは43件の応募の中から3件に贈られる優秀賞の一人に選ばれました。
今田さんは、データスタジアム株式会社から提供されたプロ野球の試合データをもとに、特定の打者をアウトにしやすい内野の守備位置と得点が入りやすい守備位置を分析。5月下旬に始まる交流戦までの試合結果をもとにしたデータがあれば、シーズン終わりの優勝争いにも活用できる有意な傾向を導き出せることを明らかにしました。「元々野球が好きで、自分が応援するチームの選手がなぜ他チームの選手よりも優れているのかをデータに基づいて説明したいと思ったのがきっかけでこの研究を始めました。アメリカのメジャーリーグではチームの戦術立案にデータ解析が幅広く用いられていますが、日本ではまだまだ利用が広がっていません。今後も研究を重ねていくことで、データ解析が日本の野球でも活用できるのかを明らかにしたいと思っています。将来は、解析に必要なデータを自ら収集し、実際にプレーしている選手に受け入れられる形で提供できるアナリストを目指したい」と話しています。