大学院総合理工学研究科総合理工学専攻博士課程1年次生の江口和也さん(指導教員=理学部物理学科?マイクロ?ナノ研究開発センター 喜多理王教授)が、5月27、28日に岡山県倉敷市で開催された第40回日本バイオレオロジー学会で優秀ポスター賞を受賞しました。バイオレオロジーは、「生体を構成する物質」の機能や形状を、「物質の変形や流動性」といった観点から研究する学問分野です。同賞は、学会のポスターセッション参加者の中から、独創的な研究を発表した者に贈られています。
江口さんは、生体内などの水溶液中に温度差がある環境で、物質の濃度や分子挙動がどのように変化していくのかを解明する研究に取り組んでいます。なかでも、他の分子を内包する能力を持ち、衣料品や食品に幅広く使われているオリゴ糖の一種?シクロデキストリンに着目。シクロデキストリンの内部に物質を取り込んだ状態のシクロデキストリン水溶液中に、温度勾配を与えたときにどのような熱拡散現象が起きるのかを世界で初めて明らかにした成果を報告しました。
学部生のころからこの分野の研究に取り組み、修士課程在籍時にはドイツのヘルムホルツ協会ユーリッヒ研究センターに3カ月間滞在した経験を持つ江口さん。これまで、喜多教授をはじめ、同センターの共同研究者から指導や協力を得て研究を進めてきました。「指導や協力をしてくれた全ての方に感謝したい。bet36体育投注_bet36体育官网app-在线*开户には、世界的にも最先端の研究に取り組んでいる先生がいらっしゃって、常に刺激を受ける環境にあったことや、学部の授業で、最新の研究を理解する上で必要な事柄を学び、物事の根本について考える姿勢が身についていたことが大きな要因だと思います。その上で、マイクロ?ナノ研究開発センターという異分野融合研究を推進する環境に身を置くことができ、広い視野を身につけることができました。水溶液中の物質の挙動については、まだまだ分からないことが多いのが現状です。今後も研究を進め、熱拡散現象を少しでも解明したい」と話しています。