理学部化学科の小口真一准教授が12月19日に、福岡県?西日本総合展示場で開かれた「第28回日本MRS年次大会」で研究成果について招待講演を行いました。本学会は経済?産業の持続的な成長と地球環境問題をグローバルな視点から両立させる革新的な先進材料を創出するため、新規材料の創製、新規プロセス、新規機能の探索に関する分野融合的なテーマについて討論します。
小口准教授は、「イオン液体を用いた再利用可能な酸化反応系の構築」と題して発表。有機化合物であるイオン液体(液体で存在する塩)が水や油と混ざらないという特性に着目し、実験に使用した触媒をイオン液体に固定して再利用する方法や、有機合成への活用例などを紹介しました。この研究成果は、有機化学の研究分野で発表された最新の論文の中から特に注目される合成反応を選出する学術誌『SYNFACTS』(2017年2月発行)のハイライトとして掲載されています。本誌は世界的に著名な有機合成化学に関する専門学術誌で、天然物化学、複素環化学、材料化学、金属触媒反応、有機金属合成、有機触媒反応、固体担持触媒合成の7分野で優れた論文が選定されており、本研究は固体担持触媒合成の分野における優れた研究として紹介されました。小口准教授は、「私の研究室に所属していた学生2名とともに新しい合成手法を開発してきました。企業や外部の研究所と連携したような大きな共同研究ではありませんが、東海大の研究室で生まれた研究が著名な学術誌に掲載されてとても光栄です。また、学会でも多くの方に伝える機会をいただけてうれしく思います」と話しています。