観光学部観光学科の片岡勲人准教授と学生たちが1月7日に代々木キャンパスで、中日本高速道路株式会社(NEXCO中日本)と連携して開発したドライブプランの企画案を発表しました。NEXCO中日本は今年度中に、新東名高速道路の伊勢原大山インターチェンジ(IC)から新秦野IC間の開通とその区間に設置する「秦野丹沢スマートインターチェンジ(SIC)」のオープンを目指しています。これに伴い、NEXCO中日本から本学部に首都圏から秦野市への観光誘致策考案の協力依頼があり、サマーセッション科目「観光学実習」と秋学期の「シティプロモーション演習」の履修学生がフィールドワークを実施。ETCカードを使った高速道路の周遊料金と観光地のチケットなどがセットになったドライブプランの企画案を練ってきました。
当日は、NEXCO中日本の担当者が代々木キャンパスを訪れ、秦野市役所の担当者やフィールドワークに参加した学生らがオンラインで出席しました。企画案を発表した小林潮音さん(3年次生)は、秦野市に近い人気の観光地として鎌倉?湘南地域と比較しながら、「コロナ禍では人混みを避ける観光に注目が集まり、健康意識や需要も高まっていることから、秦野では『夏場の避暑地?森林セラピー?ウェルネスツーリズム』を推進してはどうかと考えます」と提案しました。「登山客やサイクリングなどに来る人は多いものの、消費する場がなく、施設は観光客より地元住民に開かれています。ハード面は整備されているので、ソフト面を充実させる必要があるのでは」と語り、「秦野市表丹沢野外活動センター」を拠点とした2泊3日の企画案を発表。初日は「はだの表丹沢森林セラピー基地」でガイドの案内で森林セラピーを体験し、夜はダッチオーブンを借りて夕食を作って食べた後、星空観察会に参加。2日目の朝は屋外でヨガを行い、ボスコオートキャンプベースで釣りや川遊びを体験するほか、「じばさんず」で地元野菜や農産物?加工品を購入し、夕食はバーベキューを楽しむプランを考案しました。さらに、夕方から秦野を訪れる1泊2日の短縮版も提案し、立ち寄り先として「みのげマス釣りセンター」や「緑水庵」、「ヤビツ峠レストハウス」、秦野産の木材を使用したオリジナルのインテリア家具の制作も紹介しました。
ドライブプランの企画?販売を担うNEXCO中日本観光振興課課長代理の平尾義男氏は、「鎌倉?湘南と差別化し、明確なメッセージが込められており、十分に商品としてまとめられるのではと感じました」とコメント。同秦野工事事務所所長の伊原泰之氏は、「高速道路を建設、管理するだけでなく、地域と一緒に旅行商品を考え、活性化を目指すことも大切な仕事です。今日の成果を参考にして商品化を進めていきたい」と語りました。発表した小林さんは、「商品化が現実に近づいてきて、驚きと喜びを感じています。秦野の魅力は、都心から近い場所で自然に触れられること。既存の観光地ではない、ほかとは違う魅力を、訪れた人に見つけて楽しんでほしい」と話しました。
今後は、NEXCO中日本と秦野市役所の担当者で商品化に向け、地域の関係者との調整が行われる予定です。