観光学部では2月22日に、秦野市?タウンニュースホールで「第7回丹沢湘南観光交流フォーラム」を開催しました。湘南キャンパスのある平塚市や秦野市、 さらにその近隣の伊勢原市などの丹沢湘南地域での広域連携を通じて、観光交流や地域活性化について考えることが目的です。今回は2020年の東京オリンピック?パ ラリンピックに向けてこの地域に海外の観光客を呼び込む方策を検討しようと、「丹沢湘南地域におけるインバウンド(訪日)観光の推進」をテーマに実施。学生や教職員、地域住民ら約60名が参加しました。
本学部観光学科主任の浅野清彦教授が開会のあいさつをした後、本学部が昨年12月に行った外国人向けモニターツアーで観光バスツアーの運営を担った(株) セブンカルチャーネットワークの佐原義規氏が「インバウンド(訪日)観光の現状と推進に向けて」を演題に基調講演。ツアーを組む際の注意点について、「参加される方の国の文化や宗教上の理由で食べられないもの、参加できないイベントがあります。ルートや食事の内容について入念に事前調査し、一人ひとりの目線に立ってプログラムを考えることが重要です」と力説しました。続いて、モニターツアーに基づく調査に携わった屋代雅充教授がその成果を報告。「参加者43名を対象としたアンケートでは、72.1%の方が”非常に満足”残り27.9%が”おおむね満足”と 高い評価を得ることができました。大山中腹からの景観や名産の大山豆腐、手作りのそばといった日本食も好評を博しました。今後の観光ツアー開発にあたり、 これらの経験、情報を生かしていきたい」と話しました。
パネルディスカッションでは岩橋伸行教授がコーディネータを務め、佐原氏、屋代教授のほか、伊勢原市、平塚市、秦野市の観光協会の職員、ツアーに参加した本学大学院で学ぶベトナム出身の留学生がパネリストとして登壇。インバウンド観光を推進するための取り組みについて、会場の参加者を交えて話し合いました。留学生は、「そば打ち体験は言葉の壁をこえて楽しめるイベントで、1つの目標をもって多くの人々が協力し合うことで友人を増やすことができました。また、伝統的な食事を囲むこと で、日本文化によりいっそう興味を持つこともできました」とツアーでの経験を踏まえた意見を述べました。観光協会の職員からは、「訪日観光のプログラムを考えるうえで、非常に貴重な情報を得ることができました。外国人からのご意見は観光地の魅力を海外の方に伝える方法を見直すよい機会となりました」と語りました。
その後、松本亮三学部長が、「インバウンド観光の認知度は低く、地域をあげての本格的な取り組みはまだまだこれから。専門家を交えていち早く、皆さんと知 識を共有できたことは大変有意義でした」と締めくくりました。なお、フォーラム終了後には食事を囲んでの交流会も行われ、参加者が観光を通じた地域活性化 について意見を交わす姿が見られました。