観光学科の本田量久准教授が編集に携わった書籍『21世紀国際社会を考える』(旬報社)が、昨年末に刊行されました。東京福祉大学の渋谷淳一講師との共編著で、政治学や経済学、国際問題など、さまざまな分野を専門とする36名の研究者による原稿をまとめたものです。国際関係論、国際政治学、国際経済学、文化人類学など「国際社会研究」を始める人に向けた入門書となっています。
社会学やアメリカでの人種問題が専門の本田准教授は、本著で掲げられている38のテーマのうち、「グローバルリスクと国際社会」と「グローバル化とその逆説――世界は画一化に向かうのか」の章を担当。自国で起きた問題が諸外国にどう影響していくのか、各国に出店しているファストフードのチェーン店がどのように地域の食文化やまちの景観に影響を与えているのかといったテーマについて執筆しました。本田准教授は、「この本の帯には、それぞれの執筆者が専門とする分野のキーワードが書かれています。この中のどれか一つを研究している大学生や一般読者に手に取ってもらいたいという思いと、一見かかわりがないように見える一つひとつのキーワードが、どこかでつながっていることに気付いてほしいという意味をこめています。ロシアのチェルノブイリ原子力発電所や東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所の事故などが例として挙げられるように、ある地域で起きたローカルな出来事が、諸外国に大きな影響を及ぼす可能性もあります。大学生は所属している学部の研究内容に関心が偏ってしまいがちですが、この本を読むことで、自分の専門分野がさまざまな分野とつながっていることがわかるでしょう。学生や一般市民にもわかりやすく専門家が丁寧に説明している本なので、ぜひ一度手に取ってもらえればと思います」と語っています。