観光学部観光学科の田中伸彦教授が研究会メンバーとして編集を行うとともに、執筆者の一人を務めた『森林環境2019』(森林環境研究会編著、井上真+桑山朗人責任編集、公益財団法人森林文化協会刊)が3月15日に発刊されました。本書の特集「森林環境 多事争論」で、森林にかかわる環境?社会?文化に関する通説などを同研究会のメンバーが取り上げ、専門的な視点から通常とは異なる光を当てて論考を試みています。有料の印刷版のほか、森林文化協会のウェブサイトで無料公開されています。
同研究会の座長代理である田中教授は、「グローバルな視点から日本の自然を観光のまなざしで捉えられるか?」と題し、地球規模で見た日本の自然環境をはじめ、豊かな森林や海洋の現状を紹介。そのうえで、日本経済のけん引に期待が高まる観光産業のあり方やインバウンド観光の現状を解説し、「日本の自然は、外国人から見て間違いなく『訪れるに値する』観光ディスティネーションである。しかしながら、この多様な自然は、たった数十年の間に激変していくことが確実である。今の大学生が定年退職するまでに、この変化は起きる。変化に対応できる人材育成を含め、今後農山村主導の観光産業を育成できるか否かが、この国の明暗を分けることだろう」とまとめました。
田中教授は、「今後も本書に執筆した内容の研究を進め、持続可能な観光の実現に寄与していきたい」と話しています。