観光学部観光学科の立原繁教授の著作『欧州郵政事業論』が4月に、bet36体育投注_bet36体育官网app-在线*开户出版部より刊行されました。本書はJP総合研究所研究員の栗原啓氏との共著で、万国郵便条約(1964年制定)の規定によって「ユニバーサルサービス」として加盟国間で実施されている郵政事業の現状と課題について、日本に先立つ2006年に郵政民営化が導入された欧州各国の最新情報を著者による現地調査を交えながら報告するものです。
経営学が専門の立原教授は、10年度の観光学部設立以前は政治経済学部経営学科で教鞭をとり、07年の日本郵政民営化に際しては専門家の立場からその経営戦略の立案などの事業展開に携わり、経営的視点から分析に取り組んできました。「小泉内閣による郵政民営化から10年以上が過ぎましたが、郵便物の減少などの影響で誰でも受けられる『ユニバーサルサービス』である郵便のシステムを守ることが難しくなってきています。一方、いち早く民営化に踏み切った欧州各国では、たとえばフランスでは配達員による見守りサービスを、ドイツでは小型物流企業を買収した事業拡大などの成長戦略がとられるといったように郵便配達で築いてきたネットワークを生かした新規ビジネスに着手しています」と指摘します。
立原教授らは、17年から度々現地を訪問。経営者へのインタビューや経営データの調査に取り組んできました。「日本では、日本郵政株式会社の下、郵便事業株式会社、郵便局株式会社、株式会社ゆうちょ銀行、株式会社かんぽ生命保険の体制で民間企業との競争となっていますが、新しい事業展開はなく特に郵便では料金の値上げしかない状況です。本書の執筆に当たっては“日本郵政に頑張ってほしい”というエールを込めるとともに、ヨーロッパの最新情勢から学んでもらえるよう留意しました。郵政に関心のある方たちが関心あることを知れる内容になったと思います」と話しています。
書籍の概要は下記をご参照ください
https://www.press.tokai.ac.jp/bookdetail.jsp?isbn_code=ISBN978-4-486-02180-3