観光学科の田中教授が『「林苑計画書」から読み解く 明治神宮一〇〇年の森』に執筆しました

観光学部観光学科の田中伸彦教授が、昨年11月1日に発行された『「林苑計画書」から読み解く 明治神宮一〇〇年の森』(発行=公益財団法人 東京都公園協会)に執筆しました。同書は、明治神宮が2020年に鎮座100年の節目を迎えたことを記念して、明治神宮の学術交流機関「国際神道文化研究所」の出版助成を受けて制作されたものです。当初は荒地だった内苑予定地に、人の手で荘厳な森をつくるための計画書『明治神宮御境内林苑計画』について、造園学や都市計画などの専門家12名がそれぞれの視点から分析し、この先100年の展望について解説しています。

田中教授は自然活用計画?観光地管理研究者の立場から、内苑の外周に植えられたイヌツゲという木をテーマに執筆しました。本書では、「神聖なる内苑空間」と「庶民的な世俗空間」とを明確に区分するため、内苑と市街地との境界に土塁が設置された経緯や、その上に配植されたイヌツゲの特性、環境の変化から今はほとんど残っていない状況などを解説しています。「林苑計画に携わっていた本多静六氏は私の出身研究室の大先輩であることから、その意思と計画を紐解きながら執筆しました。100年経った今でも『明治神宮に来訪したい』と国内外の多くの人々に魅力を感じさせる空間であり続けている背景には、林苑計画書が非常に大きな意味を成していたことを多くの人に知ってもらいたい」と語ります。また、「近代化?西欧化を象徴する明治神宮外苑」と題したコラムも担当し、外苑のコンセプトや構成、受け継いでいくべきレガシーなどについて解説しています。