人間情報工学科の川人さんが電子情報通信学会九州支部で講演奨励賞を受賞しました

文理融合学部人間情報工学科3年次生の川人彩楓さんが9月25日に、鹿児島大学で開かれた電子情報通信学会九州支部2024年度(第32回)学生会講演会で講演奨励賞を受賞しました。学生の発表の場として開催されているもので、今回は151件の応募があり、優れた発表をした18名に同賞が贈られました。

川人さんの発表テーマは「パルス数ニューロン回路に関する研究」です。人工知能は日に日に活躍の場面を広げていますが、多くの電力を必要とし、コンピューターのサイズも大きいのが現状です。川人さんは、2年次生から藤本邦昭教授の電子回路研究室に所属し、集積回路を用いた人工知能の研究に着手。電力消費量を抑え、サイズも小さく、かつ処理速度を飛躍的に向上させる集積回路の設計に励んでおり、今回の学会ではその基本回路について報告しました。

本学科では3年次生の秋学期から研究室に所属しますが、藤本教授は学年に関係なく研究に興味のある学生に門戸を開いています。川人さんは、「スマートフォンや自動運転など、祖父母が子どものころには考えられなかったものが現代では当たり前になっています。これから先もどんどん進化していく技術を身に着け、知識を持って未来を迎えたいと考えるようになりました」と語ります。「もともと考古学に興味のある文系学生だったので、理系の研究は苦労しましたが、先輩方からプログラムの書き方やソフトの使い方など一つひとつ教えてもらって学んできました。初めての学会で、発表の前日まで原稿を作っていたので、まだまだ準備が足らないと感じました。今は、実際に作った回路でこれまでの人工知能が挑戦してきた複雑な問題に挑戦しており、いい感覚もつかめています。さらに研究を深め、学会などで発表していきたいです」とコメント。藤本教授は、「大学院生が多く発表した中で学部3年次生が受賞するのは異例のことです。川人さんは理系に転向してから自身が研究室で学んできたことを後輩に伝えていくために、オリジナルの教科書も作ろうとしています。半導体の体験イベントなどでもスタッフを務めてくれており、今後の活躍が楽しみです」と話しています。