健康科学部看護学科では11月5、6の両日、アメリカのメイヨメディカルセンターの看護師3名を迎え、伊勢原キャンパスで講演会や交流会を実施しました。 本学科では国際性のある看護職を養成するための教育の一環として、1995年から先進的な医療で世界的に有名なメイヨメディカルセンターと相互交流を続け ています。毎年春に選択科目である「国際看護演習B:メイヨ」を履修する学生が、同センターを訪問してその看護活動を間近に見て研修します。またメイヨか らは毎年秋に看護師を迎え、幅広い文化?学術交流を行っています。今年は産科、教育部、ICU に所属するリン?M?ルーツさん、メーガン?D?フリーマーさん、アンバー?スティッツさんが来訪しました。
5日は、メイヨの3名が医学部付属病院を見学。日本の救命救急システムや少子高齢化から派生する地域医療対策などについて多くの質問を受け、本学の教職員 が説明しました。続いて大学院健康科学研究科特別講義として、「看護実践における専門化意識の推進」と題した講演会を実施。臨床の現場で働く看護師や大学 院生、教職員ら25名が参加し、新生児看護の分野でさまざまな資格を持つリンさんが、アメリカにおける看護専門認定制度の歴史や基準、認定までのプロセ ス、認定を受ける利点などについて説明。「認定制度は看護師のスキルや能力を認めてもらうもので、プロフェッショナルの証明になります」と語りました。ま た、「メイヨメディカルセンターは認定試験のための勉強を積極的にサポートしてくれます。調査結果でも、認定看護師は知識や技術に長けているという点で患 者の満足度は高くなっています」と結びました。
6日は、本学の学生や教職員らとメイヨの3名が、ウェルカムランチパーティーを楽しみながら互いの国の看護事情や今後の課題などについて情報交換をし、交 流を深めました。午後からは看護学科の授業として、メーガンさんが看護教育の改革や、情報や資源の共有による患者ニーズを満たすケアの方法論などを紹介す る講演会を実施。約70名の学生たちが熱心に耳を傾けました。
2日間の運営を担当した井上玲子准教授は、「日本の看護はアメリカの後を追っている感が拭えないものの、近年では相互の情報交換も充実してきました。病院 見学ではメイヨ側から多くの質問を受け、また2つの講演会では活発に意見を交わし、特に学生からの適切な質問に国際的な看護の視点が養われていることを感 じました。今後も継続して交流しつつ、アメリカの先端医療に刺激を受けながら日本独自の看護を追及し、教育に反映させていきたいと思います」と語っていま す。