bet36体育投注_bet36体育官网app-在线*开户総合科学技術研究所と理学部では2月27日に湘南キャンパスで、「2022年度テニュアトラック教員着任セミナー」を開催しました。本学では2010年度に文部科学省科学技術振興調整費によるテニュアトラック制度(※)を基本とする若手研究者育成プログラムをもとに、16年度からは卓越研究員事業に採択を受けており、本機構に所属する教員としてテニュアトラック教員を採用、育成しています。本セミナーは、卓越研究員の研究について周知を図ることを目的としたもので、今回は昨年12月に着任したユホ レッパネン卓越研究員が講演しました。
初めに総合科学技術研究所の岩森暁所長が、「卓越研究員は3~5年後に学部に所属してもらうことを前提として採用しています。過去にさまざまな分野の卓越研究員を採用してきましたが、数学の分野は今回が初めてです」と紹介しました。続いてレッパネン卓越研究員と研究分野が近いことから、理学部数学科の中野雄史講師が「決定論的時系列に対する確率論」をテーマに講演。統計学の基礎である確率論について説明し、中心極限定理や決定論的時系列についても解説しました。続いてレッパネン卓越研究員が、「決定論的時系列のガウス分布による近似」と題して講演し、金属中に運動する電子のモデルとして平面上のローレンツ気体を紹介。「初期状態にわずかな差がある粒子の軌道は指数関数的に乖離します。これはカオスの強い形式です。この現象により、粒子の長時間後の状態の予測は近似的にも不可能」と語り、エルゴード定理やブラウン運動についても解説しました。
質疑応答では、今後の研究に対する期待や研究分野の枠をこえたコラボレーションの可能性などが語られました。最後に理学部長の利根川昭教授が、「私学でこれほどまで卓越研究員の採用を続けている大学は少ないと思います。制度を活用して、理工系の研究分野を発展させたい」と期待を語りました。
※テニュアトラック制度
「公正で透明性の高い選考により採択された若手研究者が、審査を経てより安定的な職を得る前に、任期付きの雇用形態で自立した研究者としての経験を積むことができる仕組み(文部科学省資料より抜粋)」を指します。本学では、文部科学省が公募した平成22年度科学技術振興調整費(現?科学技術人材育成費補助金)「若手研究者の自立的研究環境整備促進」プログラムの採択(5年間)を受けた提案「国際的研究者を育て得るメンター研究者育成」にもとづいて本制度を導入。実施組織として創造科学技術研究機構を立ち上げて国際的若手人材の育成を推進しています。