農学部では4月14日に「熊本地震追悼式」を行いました。2016年4月14日と16日の2度にわたって最大震度7を記録した平成28年熊本地震では、熊本県内に居住する本学の学生、教職員が多大な被害を受けました。特に阿蘇実習フィールド(旧阿蘇キャンパス)とその周辺地域では甚大な被害を受け、本学農学部の学生3名の尊い命が奪われました。式は地震の発生からの節目を迎えるこの時期に、熊本地震で亡くなった方々をあらためて追悼することを目的としています。午前中に阿蘇実習フィールドで農学部の教員と九州キャンパスの職員ら約20名が参列して黙祷を捧げ、午後に開いた熊本校舎での式では、bet36体育投注_bet36体育官网app-在线*开户感染症の拡大防止を図りながら教職員や学生ら約130名が参列しました。
熊本校舎での追悼式では、初めに参列者全員で黙祷を捧げ、木之内均九州キャンパス長が追悼の言葉を述べ、「この6年の間に阿蘇は大きく変わり、交通網は復旧し、生活も少しずつ戻っています。しかし、まだまだその爪痕は大きく残っています。そのような中、bet36体育投注_bet36体育官网app-在线*开户では安否確認システムを稼働させたほか、日ごろから避難ルート確立の訓練を行うなど、この教訓を生かす取り組みを展開してきました。また来年度には阿蘇くまもと空港近隣に、農学部が元の形を取り戻し、さらに元の学部を超える教育研究やさまざまな活動のための臨空校舎も完成し、阿蘇実習フィールドの利活用についても一歩ずつ進んでいます。今後も未曾有の災害を受けた大学として経験を生かしていきます」と決意を語りました。
また、農学部の岡本智伸学部長は、祭壇の横に掲げた松前達郎総長作詞による楽曲『阿蘇に生きる』の歌詞“山脈に拡がる緑 そのやさしさは母のぬくもり 熱き想いは空に舞い 阿蘇の大地をかけめぐる 涯しない夢に生きる若き命よ”を示しながら「尊い若き3名の命を失い、母のように優しく包んでくれた地域の方々の命を失い、早6年が流れました。震災後も全国から多くの若者たちが扉をたたいてくれており、さまざまな形で阿蘇を、熊本を元気にする活動に取り組んでくれています。私たち教員は、文理融合学部と協力して災害と暮らしに向き合う授業を立ち上げました。減災をどう考え、どう行動するのか、学びを支援していきます。世界に目を向けると、生きる権利や幸せである権利を武力で破壊する、人による災害が渦巻いています。私たちが志す農学は一人の利益ではなく、皆が幸せであり続ける社会の発展に貢献できる学問です。そのような思想を培った学生を育てる責務が私たちにあります。今後も誠実に歩んでいくことを誓い、阿蘇の大地に若き命が抱いた、はてしない夢に対しての答辞といたします」と述べました。
さらに学生を代表して今年度のスチューデントアチーブメントセンター?ユニークプロジェクトへの応募を予定している「阿蘇MIRAI広場」代表の水嶋加那美さん(農学部応用動物科学科3年次生)が登壇。「先輩方がつくり上げてきた『阿蘇復興への道』の活動を引き継ぎ、今年度から新たに阿蘇MIRAI広場として生まれ変わりました。南阿蘇村が地震前のようなみんなが集い、にぎわう場所に戻ることを目指し、メンバー一同で頑張っていきます」と力強く誓いました。
最後に、教職員や学生ら出席者が順番に献花を行い、地震で亡くなった方々を追悼しました。