生物学部の新任教員紹介

2024年4月より、札幌キャンパスの生物学部に新たな教員が2名、着任することが決定しました!

このコラムでは、新たに着任した先生にご自身の受け持つ授業や、研究内容について語っていただきます。

小口 晃平 講師 

環境によって姿を変える生物の巧妙さとは?

所属:生物学部 生物学科

専門分野:
研究内容とその魅力について教えてください

生物の姿や形はどのようにしてきまっているのでしょうか?全て遺伝子が決めていると考えてしまいそうですが、実はそれだけではないのです。温度などの環境や、巣仲間、他の生物との関わりによっても姿形を変える生き物もいるのです。このような関わり合いによって姿形を変えるシロアリやカメムシなどの昆虫をはじめとする無脊椎動物を対象に、生物の形作りやその進化の仕組みについて研究しています。研究の過程で思いがけない生物の巧妙さに気付かされる時に魅力を感じます。

大学生の頃はどんな学生でしたか?

生物学や進化学を学びたいという漠然とした気持ちで大学生になりました。キャンパスライフの傍ら、路上や森林、水中に至るまであらゆるフィールドで様々な生物を採集し、飼育し、興味の向くままに観察を行っていました。また大学では、向き?不向きに関わらず、いろんな講義や実習に出て、どんなことを追求したら楽しいか考えながら学生生活を送っていました。

担当する授業について教えてください

細胞生物学と分子生物学を担当します。 地球上には驚くべきほど多種多様な生物で満ち溢れています。全く違うように見える生物も、細胞から成り立ち、遺伝子の本体はDNAであり、タンパク質?酵素による化学反応など、生命活動の根本となる仕組みはよく似ています。授業では、その根本原理を伝えつつ、いかにして生物は多様になり得たかについてもお伝えできたらと思います。

手良村 知功 助教

日本近海における深海魚の多様性とは?

所属:生物学部 海洋生物科学科

専門分野:
研究内容とその魅力について教えてください

私はギンザメ類を中心とした深海魚を研究しています。深海は人類最後のフロンティアと呼ばれており、そこに生息する魚もまた、多くの謎に包まれています。「この魚は新種じゃないの?」「この魚はどんな生態をしているの?」「この魚の不思議な形はどんな意味があるの?」のような、小さな謎を1つ1つ解明していくことが私の喜びです。皆さんも、魚の研究を通して、こういった謎を世界で初めて解明する喜びを感じてみませんか?

南太平洋の深海に生息するアマノガワギンガエソ(手良村先生が日本初記録として和名を提唱)

大学生の頃はどんな学生でしたか?

ずっと魚を集めていました笑。私は幼い頃から魚が好きで、よく図鑑をめくっていました。しかし、私の出身地には海が無かったので、海水魚、特に深海魚は憧れの対象でした。大学に入学して、自由な学びの時間を手に入れたことで、その憧れを爆発させるように、山の上の渓流から深海漁業の現場まで、魚がいる場所ならどこにでも行って、ひたすら魚を集めました。魚を通して自然科学への探求心を育み、その喜びを共有できる仲間とも巡り合いました。今でも,集めた標本、そこで得た経験と人脈は自身の研究を支える大事な柱になっています。

担当する授業について教えてください

私は魚類体系学という授業を担当します。魚類は5億年前という長い年月を経て、様々な進化をとげ、住宅街を流れる用水路から、水深8000 mの超深海域まで、水がある場所ならどこにでも見られる分類群となりました。この授業では、こういった魚類の進化の原動力と、そこから生まれた多様性を、分類学、系統学、生態学といった学問の知識を使って学んでいきます。