bet36体育投注_bet36体育官网app-在线*开户は、7月6、7日に静岡県伊豆の国市と南伊豆町との共催で、「ニール号追悼150年シンポジウム」を開催し、本学の教員が講演を行いました。フランス船ニール号は1874年3月20日に、現在の南伊豆町入間沖で暴風雨により座礁?沈没しました。乗員80名以上が犠牲になり、同船に積まれていた日本が政府として初めて公式参加した「ウィーン万国博覧会」の展示品や現地で購入した西洋美術品も失われました。当時の明治政府にとっては初めて国交が絡む海難事故で、足柄県令?柏木忠俊と地域の人々は遭難者の懸命な救助活動や事故処理にあたったと伝わっています。外交面に加え、日本の美術品文化においても歴史的価値があることから、本学では海洋学部の根元謙次教授(当時)らが外部機関と連携して「伊豆西南海岸沖海底遺跡(沈船)調査研究会」を立ち上げました。3年間の調査結果が認められ、ニール号沈没地点は静岡県の水中遺跡として登録されています。その後、調査は一時中断していましたが、2017年度から海事考古学を専門にする海洋学部海洋文明学科の木村淳准教授(兼人文学部人文学科准教授)が学生と共に調査を再開。潜水法を専門とする鉄多加志准教授(海洋学部海洋生物学科)と協力し、遺物の3次元写真実測や遺跡の範囲確定を進めています。
今回のシンポジウムは、沈没から150年を迎えたことを契機に改めて歴史的価値を再認識し、関係者が連携を深めようと企画したものです。6日は、伊豆の国市韮山文化センターで「追悼150年シンポジウム ニール号と柏木忠俊」を開催しました。当日は、来賓あいさつとしてフランス国立日本研究所所長のトマ?ガルサン氏が登壇。「ニール号が沈没した当時、多くの日本人が乗員の救助に尽力してくださったと記録に残されています。今日も、この歴史を忘れずに後世に伝えるためのシンポジウムを開催してくださり感謝します。ぜひ今後の友好につながる実りある時間にしたい」と話しました。続いて、木村准教授がニール号の歴史や調査方法、その成果を報告。さらに万博関連引き上げ品を数多く所蔵する東京国立博物館の学芸員である横山梓氏や歴史家の櫻井祥行氏らも講演し、多角的な視点でニール号の遭難を分析しました。翌7日には、南伊豆町に場所を移して同趣旨のシンポジウムを開催。木村准教授と鉄准教授が沈没船調査の詳細を写真で紹介し、終了後には沈没から2年後にフランス大使館が建てた慰霊碑の残る海蔵寺で関係者が献花しました。
木村准教授は、「私たちは沈没地点で何度も調査を重ねてきましたが、今回のシンポジウムではさまざまな分野の有識者と意見交換でき、新たな発見がありました。地域住民の皆さんにも数多く来場していただきましたが、地域に伝わる伝承が歴史をひも解く大きなカギになるので有意義な時間になりました」と振り返り、「この遺跡が歴史を語る記録装置として機能することが大切。今後も、日本とフランスをつなぐ共有の歴史的海事遺産として、地元の方々と協力しながら調査を続けていきます」と話しています。