【総合科学技術研究所】 量子レベル加工研究の先端研究に関する国際シンポジウムを開催

総合科学技術研究所が“レーザプロセッシングによるナノ機能材料の生成と加工の先端研究に関する国際シンポジウム”を2024年11月1日14時から18時30分まで湘南キャンパス18号館を拠点にして対面?WEBオンラインでハイブリッド開催し公開配信しました。

本国際シンポジウムは、量子加工研究分野で世界をリードする総合科学技術研究のクリニッチ教授が、ヨーロッパからブルガリア?イギリス?フランスから計3名、アジア 中国?韓国から2名、中央アジア?中東から3名 日本国内大学3名の研究者を招待して各国の大学院若手研究者と先端研究者との研究交流促進と次世代研究人材育成を目指したものです。

ヨーロッパや中央アジアの時差を考慮して開催したシンポジウムには、大学院博士課程?修士課程で関連する研究に携わる本学大学院学生?研究者約15名が対面で参加に加え、WEBオンラインで約20名が参加し相互に量子加工?量子工学?分光分析学の分野の先端研究を紹介し、研究者間の議論と学術交流を深めました。

本国際シンポジウムを主催しクリニッチ教授は、着任以来、顕著な業績を国際的に発信していますが、今回、公益財団法人 アマダ財団にシンポジウム開催助成(https://www.amada-f.or.jp/)を働きかけ、教授の業績を評価した財団が資金的な支援を決定して運営をしました。

クリニッチ教授は開会の挨拶の中で、「一流の研究者と大学院の若手研究者が刺激を相互に受けてイノベーションを創出することを目的として大いに有効な時を過ごしてほしい。」と提案しました。中でもイギリス アストン大学と中国ハルピン工科大学から2名の研究者が対面出席して研究発表をしたことは有益で、大学院生とも直接意見交換や議論も行いその様子もWEB配信されました。参加した大学院生からは、「コーヒーブレークでも実績の高い研究者がすぐ横にいて質問や意見交換では緊張もしましたが国際学会参加以上に有益でした。」との声が多くあり、開催の意図が浸透していたようです。

閉会では、大学院総合理工学研究科研究科長 喜多教授が挨拶されました。その中で、外部民間企業財団支援による国際シンポジウムは初めてであること、また、研究者ネットワークを海外にも拡大しかつ次世代研究者への刺激が得られる機会は大変重要でこのような活動を応援したいといったことを強調されていました。

一方、シンポジウム後に総合科学技術研究所の岩森所長は、「量子加工研究分野は、わが国のソサエティ5.0での社会課題解決の重要技術研究としても位置付けられ、今、特徴ある本学研究所の研究活動でグループの論文評価は顕著に高くなっています。結果としてJST Q-LEAPのような官の大型競争的資金や民間企業の研究資金導入が多くアウトプットを高く評価しています。」と述べられました。また、「これらの研究成果は、官民連携研究で学内のカーボンニュートラル研究や医学研究に波及して大きな柱に育ち、従来の大学のモデルにはない独創的でアウトカムとして本学全体の研究活動の活性化が図れています。」とコメントされていました。

Program

TimePresenter(s)Position, AffiliationTitle of Presentation
13:30- 13:35Sergei KulinichProfessor, Tokai University, Research Institute of Science and Technology, Hiratsuka, JapanOpening address
13:35-13:50Mikuru OkazakiPhD student, Tokai University, School of Engineering, Department of Mechanical Engineering, JapanEffect of LIPSS formed on stainless steel surface on antibacterial properties
13:50- 14:05Nam Phuong HaPhD student, Nagaoka University of Technology, Department of Mechanical Engineering, Nagaoka, JapanCopper precipitation process from glyoxylic copper complex Ink by irradiating femtosecond laser pulses
14:05- 14:20Saparboy RakhmanovPhD student, Chirchik State Pedagogical University, Department of Physics, Chirchik, UzbekistanOptical high harmonic generation in Dirac materials
14:20- 14:35Mashrab AkramovPhD student, National University of Uzbekistan, Faculty of Physics, Department of Photonics, Tashkent, UzbekistanSecond-harmonic generation in branched optical waveguides: metric graphs based approach
14:35- 14:55Coffee break
14:55- 15:30Aleksandr KuchmizhakResearcher, Qingdao Innovation and Development Center, Harbin Engineering University, ChinaAdvanced nanomaterials enabled by laser processing technologies
15:30- 16:05Alex G. RozhinAssociate Professor, Nanoscience Research Group & The Wolfson Center for Photonics for Food & Agri-Tech, Aston Institute of Photonic Technologies, Aston University, Birmingham, UKPhotonic technologies for precision agriculture and food quality control
16:05- 16:25Mitsuhiro HondaAssistant Professor, Nagoya Institute of Technology, Nagoya, JapanPreparation of doped nanomaterials via pulsed lased ablation in dopant-containing liquid for gas sensing applications
16:25- 16:45Coffee break
16:45-17:05Prabakaran ShankarPostdoctoral fellow, Sungkyunkwan University (SKKU), Suwon, South KoreaLaser ablation in liquid for hybrid nanomaterials: opportunities for gas sensing technologies
17:05- 17:25Bakhodir EshchanovProfessor, Chirchik State Pedagogical University, Department of Physics, Tashkent region, UzbekistanFemtosecond fiber laser-induced surface structuring of metals at cryogenic temperatures
17:25-18:05Tsanka DikovaProfessor, Medical University Varna, Department of Dental Materials, Varna, BulgariaFailure of laser melted layers of AISI 321 stainless steel after corrosion test in Ringer solution
18:05-  18:20Pavel VarlamovPhD student, Ecole Polytechnique, Institut Polytechnique de Paris, Palaiseau, FranceFs-laser produced nanocavities for acousto-magneto-plasmonics
18:20- 18:25Rio KitaProfessor, Department of Physics, Tokai UniversityClosing remarks