実践実習プログラム「彫刻を触る☆体験ツアー」を実施しました

課程資格教育センターでは11月7日に湘南キャンパスで、実践実習プログラム「彫刻を触る☆体験ツアー」を実施しました。学内に設置されているブロンズ像を教材として活用し、学芸員を目指す学生たちが文化財の保存修復に関する実践的な知識や技術を習得する機会にしようと毎年実施しているものです。高嶋直人氏(野外彫刻調査保存研究会)と野城今日子氏(東京文化財研究)を講師に迎え、学生約10名のほか東京都北区や神奈川県秦野市、小田原市などの文化財担当者、市民らが参加しました。

はじめに、本センターの篠原聰准教授が実習の趣旨を紹介。「彫刻をメンテナンスすることで、目で見るだけでは感じられないさまざまな発見があると思います。そうした点にも注意を払いながら作業してください」と語りました。その後、北村西望作「松前重義胸像」と舟越保武作「山田守像」の2体のブロンズ彫刻を対象に、汚れを落とす作業やワックスを塗って磨くといった作業を体験。参加者は高嶋氏や野城氏から、汚れを落とす際や磨く際の注意点といった実践的なポイントを聞くとともに、設置環境がブロンズ像に与える影響や、各像の特徴などにさまざまな点についてアドバイスを受けながら作業を進めました。

学生たちは、「磨き上げた後の美しい姿を見て、メンテナンス作業の効果や重要性が確認できた。貴重な体験になったと思う」「洗浄やワックスがけなど工程を経るごとに見え方が変わっていくことが面白く、実際に触れる体験を通して目で見ただけでは気がつかなかった特徴も見つけられた。これまでブロンズ像を見てもなんとなく前を素通りしていたけれど、今後は街中で見つけた時にも注目して見られるようになると思います」「自分の手でメンテナンスしたことで、ブロンズ像への愛着がわき、これからも大切にしていかなければならないと感じるようになりました」と語っていました。