マイクロ?ナノ研究開発センター(所長 喜多理王教授)では11月4日に、湘南校舎を拠点にオンラインとのハイブリット形式で第68回講演会を開催しました。今回は東北大学大学院生命科学研究科植物細胞動態分野教授の植田美那子氏を講師に「植物発生のライブイメージング?たった一つの細胞から、何がどうなって植物体になるの??」がテーマ。教職員や学生、学外の研究者ら約40名が聴講しました。
植田氏は、「植物の受精を起点とする個体発生動態やメカニズムは長く謎に包まれてきましたが、近年のライブイメージング技術の発展やさまざまな制御因子の発見によって、受精卵の内部で何が起こり、どのような過程を経て植物のかたちづくりが実現するのかが分かり始めています」と説明。被子植物のシロイヌナズナを例に、研究で得られた受精卵の極性化から始まる体軸形成の仕組みを、さまざまな映像や資料とともに紹介しました。「今後は、マイクロ?ナノ研究開発センターでナノ寸法の高分子ナノ薄膜について研究されている岡村陽介教授(工学部応用化学科兼務)と連携して研究の進展を図っていきます。今日の講演会がさらなる研究発展の契機になれば」と話しました。
司会を務めた岡村教授は、「本学には株式会社ニコンインステック(現 株式会社ニコンソリューションズ)との包括連携協定で実現したイメージング研究センターがあります。“見ること”に特化した産学協同による私立大学初の共同利用施設であり、今回の研究を進める上で必要な顕微鏡や光学機器など最新鋭の研究機材がそろっています。また、マイクロ?ナノ研究開発センターには多彩な研究フィールドを持つ研究者が多数在籍していますので、ぜひ連携を深めながら成果を残していきたい」と語っています。