マイクロ?ナノ研究開発センターが「第79回MNTC講演会」を開催しました

マイクロ?ナノ研究開発センター(MNTC)では3月7日に、湘南キャンパスで「第79回MNTC講演会 MicrophysiologicalSystems(MPS)社会実装セミナー」(主催:合同会社メドテックコンサルティング)を共催しました。近年、医薬品の非臨床試験における動物実験の代替法として生体模倣システム=Microphysiological Systems(MPS)への期待が世界的に高まっています。国内でも国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)によるMPS 研究開発事業によって啓発が進みつつあり、MPSの社会実装に関して多くの研究機関や企業の関係者の間で関心が高まっています。本講演会はその期待に応え、MNTCの木村啓志教授(工学部教授兼務)らが開発したMPS製品を実際に触れてもらう目的で研究者や企業の協力を得て企画したものです。

木村教授と合同会社メドテックコンサルティング代表社員の金森敏幸氏、名古屋市立大学薬学部特任教授の松永民秀氏、崇城大学生物生命科学部教授の石田誠一氏をはじめ、企業で創薬や医薬品の臨床試験などに携わる約20名が参加しました。

前日には、AMED-MPS第一期事業(2017-21年度)からMPSの製品化に携わってきた金森氏がMPSの概要に関して、石田氏がMPSの国内外普及状況に関する講義を実施。当日は、木村教授と松永氏が、それぞれに伸晃化学株式会社、東京応化工業株式会社、住友ベークライト株式会社と協働で開発したMPS製品の実例について講義しました。参加者はその後、MNTCやイメージング研究センター(TICAR)の施設を見学し、グループごとに3製品について説明を受けるとともに、ピペット操作や、顕微鏡を使った培養細胞の形態観察など、実作業を通じて理解を深めるハンズオン形式でMPS製品を体験しました。

参加者は、「初めてMPS製品の実物に触れて、今後の研究に資する大きな可能性を感じました」「実用化に向けて今後も改良が進められ、創薬の場でも広く使われていく道筋が見えました」とコメント。事前準備や当日のMPS体験をサポートした大学院生は、「細胞の状態などをきちんと観察してもらえるよう、丁寧に準備を進めました。企業の第一線で活躍する方たちが積極的に情報共有する様子を目の当たりにして、自分も学会などで積極的に知見を深めていきたいと思いました」と話しました。木村教授は、「製薬、計測機器、食品など多様な企業7社から、研究者やマーケティング、営業などさまざまな立場の人たちに参加してもらい、MPSの社会実装に向けた大きな前進の機会になったと思います」と手応えを話していました。