湘南キャンパスの体操競技部で活動するアル?スレイマン?ヤザン選手(別科日本語研修課程)が、10月25日から11月3日までカタール?ドーハで開催される第48回世界体操競技選手権大会に母国?シリア代表として出場します。ヤザン選手は日本オリンピック委員会(JOC)の2020年に向けた国際協力プログラム「IOCオリンピックソリダリティ2020年東京オリンピックプログラム」に選ばれ、今年4月から本学に在籍しています。同プログラムは、JOCが国際オリンピック委員会(IOC)/IOCオリンピックソリダリティ、国際競技連盟、国内競技団体と連携し、発展途上国?地域の選手を受け入れ、日本で長期トレーニングを実施し、東京オリンピックへの出場および本大会での活躍を支援するプログラムとなっています。
体操が好きな父の勧めで4歳から競技を始めたヤザン選手は、シリア代表チームに所属して練習を重ねてきました。4月に来日した当初は日本語もほとんど話せず苦労もあったといいますが、「漢字を書くことはまだ苦手ですが、授業で習ったことを家に帰って復習したり、チームメートと話したりするうちに、会話はずいぶんできるようになってきました。日本で生活することに不安もありましたが、友達もたくさんでき、整った環境で練習もできて、とても楽しい毎日を過ごしています」と笑顔で語ります。「世界選手権はゆかとあん馬に出場する予定です。将来の目標は東京オリンピック出場です。まずは世界選手権で経験を積みたい」と意気込んでいます。
シリア代表のコーチとして帯同する体操競技部の小西康仁コーチ(体育学部非常勤講師)は、「ヤザン選手は明るく、どんなことも吸収したいという意欲にあふれているので、日本語も体操の技術もどんどん身につけています。シリアでは練習時間も十分には取れなかったようで、来日当初は日本での生活や練習量に慣れることが第一でした。今は世界選手権に向けて持っている技を磨いている段階なので、世界選手権が終わったら基礎からもう一度鍛え直し、東京オリンピックという目標に向けて強化していけばさらに成長できると期待しています」と話しています。