文学部アメリカ文明学科3年次生のオグスクツヨシさんが、文部科学省が官民協働で実施している海外留学支援制度「平成30 年度官民協働海外留学支援制度 ~トビタテ!留学JAPAN 日本代表プログラム【大学生等コース】~」の第9期選考に合格しました。意欲と能力ある全ての日本の若者が、海外留学に自ら一歩を踏み出す機運を醸成することを目的として2014年から実施されているものです。「大学生等コース」は、学生が自ら定めた目標実現のために、インターンシップやフィールドワークなどの実践活動が含まれる留学計画を28日間から2年以内で自由に組み立て、書類審査と面接、プレゼンテーション、グループディスカッションによる選考で合格すると、学費や留学準備金などが援助されます。
オグスクさんは、今後経済成長が期待される新興国への留学が支援される「新興国コース」に選出され、ペルーの名門校であるカトリカ大学に今年8月から1年間留学します。昨年の夏、母親の故郷であるブラジルを訪れたオグスクさんは、「計算や簡単な読み書きができない大人が通う学校があり、教育格差の現実を目の当たりにしました。世界には貧困から教育を受けられない人や、それによって劣悪な労働環境に身を置く人がいることを実感し、現状や課題を調査したいと考えました」と、留学を志したきっかけを語りました。ブラジル滞在中に知り合った日本人学生が「トビタテ!留学JAPAN」の派遣留学生だったことから、同制度を利用しての留学を検討し、移民問題をテーマとして調査研究や留学の計画を練り、国際学科の小貫大輔教授や国際教育センターの結城健太郎准教授、文明学科の吉田晃章講師と木下直俊非常勤講師、他大学の先生方、国際機関の方々の指導を受けて選考に臨みました。オグスクさんは2年時からスペイン語の特定プログラム科目を履修しており、授業ではほかの学生たちとグループディスカッションの練習も実施。「たくさんの人に支えてもらえたことが合格につながりました」と笑顔で振り返ります。
結城准教授は、「最初に授業を担当したころ、彼は家族とポルトガル語で会話している分、文法が似ているスペイン語の知識もあるのを感じ、ほかの先生方と“オグスクさんはこれから伸びる”と話し合ったのを覚えています。移民問題は今世界で注目されているテーマなので、日系人というアイデンティティを持って正面から取り組むオグスクさんは、多くのことを成し遂げられると期待しています。成長を目の前で見られることがうれしいですし、ほかの学生にとっても、よい刺激になると思います」と語りました。