工学部原子力工学科の内田裕久教授が6月18日に、国際水素エネルギー協会からフェローの称号を授与されました。この称号は、水素エネルギーの研究や実用化に貢献した研究者に贈られるもので、日本人としては今回が初めてです。
内田教授は長く水素吸蔵合金をはじめとする水素エネルギーの研究に取り組むかたわら、愛媛県西条市と協力して農業や水産業での実用化に向けた技術開発などにも携わり、これまで200報をこえる論文を発表。現在は、国際水素エネルギー協会の副会長を務めるとともに、研究開発集積施設「かながわサイエンスパーク」を運営する株式会社ケイエスピー代表取締役社長、アジア地域全体の産学連携を図る非政府組織「アジアサイエンスパーク協会」会長、外国人研究者を対象とした研究奨励金給付を通じて日本の学術発展と国際友好親善につなげる活動を展開する公益財団法人「松前国際友好財団」理事長としても国内外で活躍しています。18日に韓国?光州市で行われた授与式では、同協会のアイファ?ベチローグ理事から内田教授に称号証書が贈呈されました。
内田教授は、「再生可能エネルギーと水や、枯渇した油田から出るガスから取り出せる水素は、次世代のエネルギー源として世界中で高い注目を集めており、国内でもエネファームや燃料電池自動車といった水素を利用した燃料電池技術の実用化が進んでいます。さらなる普及に向けた新しい技術も次々と誕生しており、私自身も新たな技術の開発や産業化に貢献していきたい」と抱負を語っています。