産官学連携センターは、2018年8月30日から31日まで、東京ビッグサイトで開催された「イノベーション?ジャパン2018 ~大学見本市&ビジネスマッチング~」に本学の研究成果を4件(大学組織展示1件、個人研究シーズ3件)出展しました。
この展示会は国内最大の産学連携イベントで、大学(シーズ)と産業界(ニーズ)とのマッチングを目的に、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)と国立研究開発法人新エネルギー?産業技術総合開発機構(NEDO)の主催で毎年開かれています。本学からは、大学組織展示に長幸平教授と内田理教授(ともに情報理工学部情報科学科)、個人研究シーズに永井竜児教授(農学部バイオサイエンス学科)、住吉秀明講師(医学部医学科基礎診療学系)、冨田恒之准教授(理学部化学科)が、研究成果をまとめたポスターやサンプル等を展示しました。
大学組織展示では、2016年度に私立大学研究ブランディング事業に採択された「グローバル?モニタリング?システム」について、その目的や活動を紹介しました。地域に密着し、SNS等を活用して災害情報や平時の地域の情報を共有するローカル?システムについては、出展小間でのデモンストレーションを行い、来場者に実際のシステムを体験してもらいました。また、同システムを支えるもう1本の柱、衛星による環境?災害監視というグローバルな視点については、情報技術センターの画像処理技術が活用されています。この技術を高精細8Kモニタでの映像で紹介。画像処理だけでなく、高度衛星情報受付処理システムなども紹介しました。
展示会2日目には、長教授と内田教授がプレゼンテーションを行い、今回ご紹介したグローカル?モニタリング?システム、並びに本学の産学連携システム「TIARAプログラム」(Technological Innovative and Revolutionary Action)を活用する取組みを発表しました。
個人研究シーズでは、それぞれの展示に興味を持った来場者が訪れ、終始盛り上がっておりました。
永井教授は、「生活習慣病の早期発見とその予防」をテーマに出展しました。生活習慣病をはじめとした加齢関連疾患との関係が指摘されているAGEs(終末糖化産物)を、質量分析装置や特異的なモノクローナル抗体を用いることで分析することに成功し、その研究成果について紹介しました。同時に、これまでの企業との連携の成果として、センサーのデモやサンプルの展示も行いました。
住吉講師は、「クラゲコラーゲンを用いた皮膚再生を促進する人工真皮」と題して出展しました。住吉講師は、ミズクラゲコラーゲンを配合した人口真皮を開発。これまでのブタコラーゲン製人口真皮に対し、開発した人口真皮は自己表皮の再生(再上皮化)を促進するという研究成果を展示しました。作製した人口真皮のサンプルも展示し、将来の医療、患者のQOL向上に貢献する技術を紹介しました。
また、「軽量でフレキシブルな有機ペロブスカイト型太陽電池」について出展した冨田准教授は、作製した有機ペロブスカイト型太陽電池のデモ用セルを用いて、その場で発電する様子をソースメーターを使用して実演しました。従来のシリコン型太陽電池と比較して、ペロブスカイト型太陽電池は重量が軽く形状をフレキシブルに調整ができる利点を説明し、また開発した二酸化チタンナノ粒子を太陽電池の層状に塗布することで、エネルギー変換効率が大幅に向上した研究成果を紹介しました。
2日間を通じて、ブースには多くの企業関係者や研究者が訪れ、研究成果の紹介を通じて、技術的な相談や今後の連携の可能性など、活発に意見が交わされました。
【出展テーマ(大学組織展示)】
●防災インフラシステム-災害?環境変動監視による安心?安全社会構築システム
情報理工学部 情報科学科 長 幸平 教授(提案テーマ責任者)
【出展テーマ(個人研究シーズ)】
●生活習慣病の早期発見とその予防(ライフサイエンス分野)
農学部 バイオサイエンス学科 永井 竜児 教授
●クラゲコラーゲンを用いた皮膚再生を促進する人工真皮(医療分野)
医学部 医学科 基礎診療学系 住吉 秀明 講師
●軽量でフレキシブルな有機ペロブスカイト型太陽電池(低炭素?エネルギー分野)
理学部 化学科 冨田 恒之 准教授