湘南キャンパスで7月23日に、「2019年度第2回科研費獲得セミナー」を開催しました。研究推進部では科研費採択件数アッププロジェクトを設置し、文部科学省「科学研究費助成事業」応募時に提出する研究計画調書の効果的な書き方をまとめた「科研費虎の巻」を配布し、審査事情などを紹介する「公募説明会」を開催しているほか、科研費に数多く採択されている研究者や審査員経験者にチェックしてもらう「研究計画調書事前チェック制度」を取り入れるなどの支援を行っています。今回のセミナーは人文社会学系の教員を主な対象として開いたもので、全キャンパスの教職員ら74名が参加しました。
最初に辻中豊文系担当副学長が講演。独自性の高い実証研究や国際共同研究を展開するためには相応の研究資金が必要になることや、研究資金は研究者間のネットワーク構築などに使った方がよいことなどを解説し、科研費に採択されるために留意すべき点を説明しました。続いて、現代教養センターの田中彰吾教授が講演。比較的費用がかからないと思われがちな人文社会学系の研究でも、海外での調査や研究会の開催、英文ジャーナルへの投稿などを視野に入れると相応の資金が必要となることを説明し、「科研費などの外部資金を獲得し、外国語で成果を発信できれば研究者としてのプレゼンスも高まります。文系の研究にも社会的意義を明確にすることが求められる時代になっている中、科研費を獲得してインパクトのある研究をすることが、それを証明する第一歩になります」と語りました。その後、文化社会学部北欧学科の柴山由理子講師が、昨年度の本学着任から科研費獲得までの経緯を紹介。「研究推進部のスタッフや先輩の先生方の協力を得つつ、熱意をもって申請書を書くことが大切だと感じた。また科研費を獲得したことで、他の研究者らからの協力も得られやすくなりました」と語りました。
講演後には、登壇者によるパネルディスカッションを実施し科研費獲得に必要な考え方や抑えておくべきポイントなどについてのディスカッションがなされました。また、湘南校舎ではセミナー終了後に交流会も実施し、参加者同士が活発に意見を交わしていました。