9月24日に湘南キャンパスで、「2019年度研究倫理教育講習会」を開催しました。本学では、文部科学省「研究機関における公的研究費の管理?監査のガイドライン(実施基準)」と「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」に基づき、研究活動にかかわる不正を防止するとともに、研究費の適正な運営?管理を行っています。本講習会もその一環で、教員、研究者や研究にかかわる職員を対象に毎年実施しており、今回は、お茶の水女子大学グローバルリーダーシップ研究所研究協力員の小濵聖子氏を講師に招きました。なお、本講習会はテレビ会議システムで各キャンパスにも配信し、約130名が受講しました。
小濵氏は初めに、「自分は不正に縁がないと思っている人でも、当事者になってしまうきっかけはたくさんあります」と語りかけ、一つの研究として発表可能な成果を複数の論文に分割する「サラミ出版」や、業績の水増し、研究記録の不適切な管理?改ざんなど、大学で起こり得る不正行為の事例を解説しました。また、「学生の学会参加の旅費を捻出するために架空の人件費を計上するなど、悪意がなくても不正となるケースも多く見られます。学生は指導教員の背中を見て育つので、自分が指導する立場になったとき、同じように不正をはたらいてしまう可能性が高い。悪い影響を与えないよう、日ごろから気を配ってください」と呼びかけました。講演後の質疑応答では、不正行為の判断基準などについて意見が交わされました。