産官学連携センターでは、2月5日から7日までパシフィコ横浜で開催された「テクニカルショウヨコハマ2020(第41回工業技術見本市)」に出展しました。このイベントは、公益財団法人神奈川県産業振興センターや神奈川県などが毎年開催している神奈川県下最大級の工業技術?製品に関する総合見本市です。本学は、研究開発ゾーン「IDEC横浜 産学?企業間連携コーナー」で、本学の研究者による共同研究ユニット「メソ領域の流れの可視化による新たなエネルギー変換?伝達技術を創成する産学連携コンソーシアム」の活動を展示したほか、出展者セミナーを実施しました。ブースでは、本ユニットに参加する研究者が、企業の研究者や技術者にプロジェクトの全体像や個々の研究成果、今後の展開などを解説。研究のニーズや技術相談も数多く寄せられました。
本ユニットは、原子?分子レベルで起きる現象(ナノ領域)と、ものづくりの現場(マクロ領域)の中間にあたる「メソ領域」で起きているさまざまな現象の可視化手法と、その手法を活用した高効率?低環境負荷なエネルギー伝達?活用技術の開発を通して、日本の産業発展に貢献することを目指しています。現在工学部と政治経済学部、法学部の教員8名が参画しているほか、企業や学外研究機関との連携も積極的に展開しています。
出展者セミナーでは、ユニットリーダーを務める岩森暁教授(総合科学技術研究所所長、産官学連携センター所長)が全体像を説明。「メソ領域で発生しているさまざまなものの流れを可視化できれば、エネルギーロスの低減などにもつながる。可視化した結果をサイエンスとして説明できるようにすることで、次世代のものづくりに貢献したい」と語りました。
続いて、落合成行教授(工学部機械工学科)と長谷川真也准教授(工学部動力機械工学科)がそれぞれの研究概要を紹介しました。落合教授は、先進国では電気自動車の需要が今後も伸びる一方、今後発展が見込まれる国では今後もエンジン車の需要が高まることを指摘。「多くのシェアを持つ国の一つである日本がこの分野でさらに環境負荷を低減する技術を開発することが重要」と語りました。そのうえで、畔津昭彦教授(工学部機械工学科)、高橋俊准教授(工学部動力機械工学科)、山本憲司教授(工学部建築学科)らとの共同研究によりエンジン内部にあるシリンダー周りのオイルの流れの可視化に成功し、高効率化に道筋をつけた成果や、金属の表面加工技術を応用してディーゼルエンジンから発せられる有害物質の量を劇的に減らす革新的な排ガス浄化システムを紹介しました。一方長谷川准教授は、工場や自動車などから出る廃熱をエネルギーとして再利用する熱音響機関の研究を紹介。30%を超えるエネルギー変換効率を実現し、企業などとの共同研究も積極的に展開していることに触れ、「工学分野の研究は、研究室でよい実験結果が出ても社会の役に立たなければ意味がありません。今後も多くの企業と連携し、デバイスの応用分野の可能性を広げていきたい」と話しました。
本イベントで掲示したポスターのPDFは以下よりダウンロードができます。(一部のみ)
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